理想の住まいづくりにおいて、日々の家事を効率化する設備の選択は重要なポイントです。たとえば、食後の洗い物を楽にしてくれる食洗機。多くの家庭で導入が検討される人気の家電です。たくさんの機種のなかから最適なものを選ぶにはポイントがあって……。本記事では平松建築株式会社・代表取締役の平松明展氏の著書『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間』(KADOKAWA)より、家づくりにおける家電選びについて解説します。賢い設備選びを通して、より快適な暮らしを実現するためのヒントを紹介しましょう。
人気の国産より実力派…「ヨーロッパ製食洗機」が節水&長持ちする納得の理由【工務店社長が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

コスパ最強家電の善し悪し…優先順位でその価値は分かれる

費用面と商品価値を照らし合わせ、最適な判断をするには選択肢を多く持つことが重要です。例えば食洗機の場合、国内メーカーのものだけで比較するのではなく、海外メーカーも選択肢に入れるべきです。特にヨーロッパの製品が発達しています。水資源が日本よりも貴重な地域なので、限られた水の量で一度に食器を洗うことを考え、大容量のものが主流になっています。初期費用は国内のものより高くなりますが、省エネ性が高く、耐用年数が長いことからコスパが高いといえるでしょう。

 

キッチンコンロでは、ガスコンロとIHクッキングヒーターでの比較になると思います。ガスは熱の調理器具に触れる面積が大きいことから、料理のクオリティが高くなるというメリットがあります。ただ、IHの場合、太陽光発電を設置してオール電化にしていれば光熱費をぐんと下げられます

 

ほかにも空調設備、洗濯乾燥機、給湯器など、費用と使い勝手を照らし合わせ、コスパのよい最適なものを取り入れたいです。

国内食洗機・海外食洗機

[図表1]国内食洗機・海外食洗機
[図表1]国内食洗機・海外食洗機

 

国内のものは軽く湯洗いしてから食洗機にかけ、さらに容量が小さいため水を多く使い、手間もかかる。海外のものの中には、食器をそのまま入れるとセンサーで汚れの度合いを感知する機能がある。また大容量なので1日分をまとめて洗え、乾燥機能も優れているものが多い。耐用年数が長いことから、初期費用が高くても買い替えの頻度は少なくてすむ。

ガスコンロ・IHクッキングヒーター

[図表2]ガスコンロ・IHクッキングヒーター
[図表2]ガスコンロ・IHクッキングヒーター

 

光熱費は太陽光発電を設置していればIHのほうが抑えられるが、そうでない場合、シミュレーションをしての判断となる。火災リスクはIHのほうが低いが、ガスコンロも火災防止機能が進化している。IHはフラットなので掃除をしやすいが、土鍋や中華鍋など丸みのあるものは不向き。ラジエントヒーターというニクロム線に通電して発熱するものもあり、ガスとIH、IHとラジエントヒーターを組み合わせた製品もある。