「いつかはマイホームを」そう夢見る人は多いでしょう。しかし戸建て、マンション、持ち家、賃貸など、選択肢が多いからこそ、迷ってしまうのも事実。住宅購入は、人生における最大の買い物。だからこそ、後悔しない選択をしたいものです。本記事では平松建築株式会社・代表取締役の平松明展氏の著書『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間』(KADOKAWA)より、理想のマイホームの選び方を紹介します。
入った瞬間にわかる…高性能で高く売れる「家」の共通点 (※写真はイメージです/PIXTA)

戸建てとマンション、持ち家と賃貸…どれを選ぶ?

マンションや賃貸より断然「戸建て」の根拠

戸建てとマンション、持ち家と賃貸のどの住まいを選ぶかは、個人の判断によるものです。それぞれにメリットとデメリットがあります。ただ、戸建てを求めているのにリスクを感じて躊躇したり、見合わせたりする人にお伝えしたいことがあります。もちろん、戸建てを手に入れようと決めている人は、より前向きになっていただけると思います。

 

気になるのが、お金ですね。図表1は住宅に発生する支払いを比較した参考例です。

 

最終的に1か月間の支払い額で比較すると、耐震性や耐久性、断熱性などに優れた高性能住宅が最も低くなります。ローコスト住宅は初期費用を抑えられたとしても、結果、賃貸とほとんど同じ支払い額になります。また、引っ越しをすることになった場合は、図表1の出口売却の部分を見ていただければわかると思いますが、高性能ならば家に価値があるため貸したり売ったりすることが可能です。自分が望む利便性、快適性、デザイン性といった暮らしの豊かさは、注文住宅による高性能住宅が最も得られやすいといえるでしょう。

 

 ※金額の単位は万円 ※住宅ローンの控除、耐久性による家屋の価値などを考慮して独自に算出したデータ。
[図表1]住宅に発生する支払い比較表 ※金額の単位は万円
※住宅ローンの控除、耐久性による家屋の価値などを考慮して独自に算出したデータ。

建売・規格・フルオーダー、平屋・総二階…家のタイプを選択する

すべての家が高性能であることを前提にお話しします。完成(完成間近)の建物と土地をセットで購入できる建売住宅は、土地探しや住宅会社とのやりとりの手間が省けます。構造設計や建材の費用を抑えられるため、初期費用も低めというのも魅力です。

 

一方、規格やフルオーダーを注文住宅といいます。規格はいくつかの種類が設けられ、変更やオプションをつけることもできます。フルオーダーはあらゆるものに要望を出しながらつくり上げていくものです。もちろん、費用面も無視できません。ただ、必ずしもフルオーダーが最も高い買い物になるとは限りません。例えば、窓数を減らす、ベランダをつけないというように費用を削減することもできるからです。また、建売でもオプションや少しの変更を受けていることもありますが、割高になる傾向があるようです。

 

どのタイプが適しているかは、十人十色。先述の「どのように暮らしたいか」という要望に答えてくれるタイプが最適ですよね。暮らし方に対する家の特性を知ったうえで見極めてください。

 

[図表2]理想の暮らしを実現するのはどっち? 平屋と総二階の比較

 

地震への対策、また家族の少数化などの背景があって平屋を建てる人も増えている。「平屋=小さい」というわけではない。