(※写真はイメージです/PIXTA)
断熱性の高い木造住宅で耐震性を高める
地震の多い日本での暮らしには、不安がつきまといます。それを解消するために耐震構造の改良がはかられています。耐震性だけに注目すれば、鉄骨造やRC構造が優れています。耐久性も高いので長い期間、安心です。ただ、木造住宅に比べて初期費用は高くなります。また建材自体が重いのでどの土地にも適応するかはわかりません。さらに断熱性が低いという側面もあります。断熱性が低ければ、冷暖房の光熱費が高くなります。
こうした背景もあり、木造住宅でいかに耐震性を高めることが、家づくりの1つの提案になります。
現在、1つの基準となる地震力は建築基準法で定められており、性能表示制度ではこれに耐えられるものを耐震等級「1」としています。震度6以上でも倒壊せず、さらに繰り返しの地震に耐えるには、等級「2」、「3」が必要です。長期優良住宅(所轄行政庁から認定される)では「2」以上が条件(例外あり)です。耐震性は耐久性も高くなければ維持できません。それを実現する工法の1つが、WB工法なのです。
耐震性の高い「真四角の家」
地震による負荷を弱めるには、家にかかる力を分散することです。正方形や長方形の構造であれば、1階と2階の壁が垂直に揃っているため、4面の壁にバランスよく力が分散されます。耐震壁にして横揺れに強くし、真壁納(しんかべおさ)まりというもので力を逃す構造にできます。
真四角の家は構造がシンプルなことから、間取りの融通がきくというメリットもあります。事例の家は、間口が7m28cmで床面積は約105m2。間口が9mあれば建てることが可能な規格住宅です。
外壁と屋根はガルバリウム鋼板(アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)を使用し、軽くて耐震性が高く、耐久性も高いメリットがあります。太陽光発電の重量が大きくなっても心配ありません。断熱性や耐久性も高く、WB工法のため通気性にも優れています。さらに室内は吹き抜けを設置しており、夏は2階のエアコン1台で、冬は1階のエアコン1台で室内全体を適温にすることもできます。
このように耐震性の追求は、家のあらゆるところに波及します。次頁でその一部を紹介します。
