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私道は公共の用に供される公共物である一方で、土地所有者の所有物でもあるため、所有者がさまざまな負担を受けなければなりません。そのため不動産投資の観点からは「私道負担のある土地はやめとけ」と評価されることもあります。本コラムでは、私道負担の意義や固定資産税の扱い、メリット・デメリットのほか、私道負担のある土地を購入する際の注意点を具体的に解説します。

私道負担の土地・物件を購入する際に確認すべきポイント

私道負担のある土地や物件を購入する際には、予期せぬトラブルや出費を回避するため、事前に確認すべきポイントが多くあります。実際に購入を検討する際には、以下に紹介するポイントをしっかり確認しましょう。

 

私道の利用状況を確認する

私道を含む土地を購入する際には、その利用状況を細かく確認することが大切です。特に、道路の補修状況や管理体制について把握するようにしましょう。もし舗装が傷んでいたり、排水が適切に行われていなかったりする場合には、将来的に補修工事の費用がかかる可能性があります。

 

また、近隣住民による私道の不正使用があると、購入後にトラブルに発展することがあるため、不法投棄や不法占拠がないかも重要なチェックポイントとなります。特に、購入後に近隣住民となる相手だと、のちのち注意しづらくなることも考えられるため、慎重に確認することが求められます。

 

私道の権利状況を確認する

購入に先立ち、私道の権利関係がどのようになっているのかを確認することも重要です。具体的には私道が単独所有なのか、それとも複数の所有者による共有物なのかを調査しましょう。

 

特に、所有者が複数の場合や、相続の影響で登記簿に所有者の変更が反映されていない場合には、手続きが複雑になることが考えられます。さらに、共有している私道全体を売却したい場合は共有者全員の同意が必要になるため、今後の取引がスムーズにいかない可能性もあります。

 

そのため、購入前に私道部分の登記簿を確認し、権利関係を整理しておくことが大切です。共有者がいる場合には、他の所有者にヒアリングするのもおすすめです。

 

私道の通行掘削権を確認する

私道に接する土地では、ライフラインの整備が課題となることもあります。例えば、上下水道・ガスなどが私道部分を経由している場合には、私道の掘削工事が必要となるため、工事にあたっては所有者から掘削工事の許可を得なければなりません。

 

そのため、土地の所有者が私道部分の通行掘削権を有しているのかを確認し、これを譲渡できるのか、譲渡できない場合にはどのように権利を取得できるのかなど、慎重に確認する必要があります。

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