
エリート官僚になった同級生、羨望の眼差しが向けられたが…
春、卒業シーズンですが、それとともに、「3年のときの担任が定年を迎えるから」などと、同窓会が企画される時期でもあります。近況報告をするなかで、「そういえば、あいつ、何をしているんだろう?」と、誰もが印象に残っている同級生の話題で盛り上がる、というのも、同窓会ではよくある話。
そんな同窓会の思い出を話してくれた金子大介さん(仮名・45歳)。通っていたのは地元の国立大学のほか、東京の有名私立大学に多くの合格者を輩出する進学校で、金子さん自身も進学を機に上京。そのまま東京で就職を果たしました。
昔話に花を咲かせているなか、「そういえば、川本は元気かな」と誰かが言い出しました。高校時代、川本さんは学年一の秀才と知られ、東京大学文科一類に現役合格。学校始まって以来の快挙と、誰もが彼の将来を嘱望していました。
大学在学中、そして社会人になったばかりの頃までは金子さんとも交流があったといいます。そして国家公務員総合職試験に合格し、いわゆるエリート官僚まっしぐら、というところまでは知っています。しかし、お互い仕事が忙しくなり、疎遠になっていました。
――あいつ、本当に優秀だったから、エリート街道をばく進しているだろう。いずれ、官僚のトップになったりするんだろうな
人事院『令和6年度 国家公務員給与等実態調査』によると、国家公務員(全俸給)の平均給与は月収で41万4,801円(平均年齢42.0歳)。また各省庁の事務次官や外局の長、各府庁の局長級職員といった指定職(平均年齢57.0歳)は、平均月103万3,216円。年収は1,600万~1,700万円といわれています。エリートのなかでもトップに上り詰めると、給与は桁外れになります。