厚生労働省から令和6年の『賃金構造基本統計調査』の結果が発表され、最新の会社員の給与事情が明らかになりました。そこから見えてきたのは「実感なき賃上げの実情」でした。※本記事では労働者を会社員、所定内給与を月収と表現しています。
47都道府県「会社員の平均給与」最新ランキング!1位と47位の酷すぎる格差。「実感なき賃上げの実情」が明らかに

賃上げ圧力が強まり、会社員の給与は4%弱増

厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(平均年齢44.1歳)の平均給与は、月収(所定内給与額)は33万0,400円、賞与も含めた年収は526万9,900円でした。前年と比較すると、月収で1万2,100円(3.8%)、年収で20万0,500円(3.9%)の増加。物価上昇に伴い、賃上げ圧力が強まり続けていますが、その効果が色濃く反映された形になりました。

 

男女別にみていくと、男性(平均年齢44.9歳)の平均月収は36万3,100円。一方で女性(平均年齢42.7歳)の平均月収は27万5,300円。男女間の給与格差(男=100)は75.8と、昨年の74.8から1ポイント改善しています。

 

学歴別にみていくと、男女計・高卒(平均年齢46.2歳)で月収28万8,900円(年収460万8,900円)、大卒(平均年齢41.6歳)で38万5,800円(年収624万9,600円)、院卒(平均年齢42.2歳)で月収49万7,000円(年収850万0,100円)でした。学歴間の給与格差は大学の給与を100とした際、高卒は月収で74.8、年収で73.7。院卒は月収で128.8、年収で136.0でした。

 

年齢別に給与の推移をみていきましょう。男性の場合、20代前半で月収23万円、年収360万円ほどだった給与は年齢と共に増えていき、40代で年収600万円台、50代で700万円台となり、60歳定年前に月収で45万円弱、年収で725万円弱とピークに達します。

 

【年齢別「サラリーマンの平均給与」の推移】

20~24歳:23.4万円/358.4万円

25~29歳:27.5万円/453.8万円

30~34歳:31.6万円/524.8万円

35~39歳:35.2万円/589.8万円

40~44歳:38.6万円/640.9万円

45~49歳:41.6万円/683.8万円

50~54歳:42.8万円/704.1万円

55~59歳:44.4万円/724.2万円

60~64歳:34.5万円/532.2万円

※数値左より月収/年収