(※写真はイメージです/PIXTA)
義実家での何気ない一言に凍り付く妻
都内のメーカーで企画職として働く田中由美さん(32歳・仮名)は、額面で月収34万円ほどを稼ぐ共働き妻です。夫の健二さん(35歳・仮名)の収入も合わせた世帯年収としては決して低いことはありませんが、都内での生活は想像以上に「カツカツ」だといいます。
昨年、由美さんは生後8カ月になる長女を連れて、久しぶりに夫の実家へ帰省しました。コロナ禍や出産のタイミングが重なり、義両親に孫の顔を見せるのはこれが初めて。初孫を前に義父母は目尻を下げっぱなしで、用意された寿司やオードブルを囲み、和やかな時間が流れていました。
しかし、その空気は義母の「ある一言」で一変します。
「ねえ、2人目は? 健二もきょうだいがいて良かったって言ってるし、年子は可愛いわよ」
悪気など微塵もない、純粋な期待のこもった声でした。しかし、初めての子育てでてんやわんやの由美さんにとっては無神経な言葉に聞こえました。さらに現在の家計は、保育園代やおむつ代、そして都心の家賃でギリギリの状態。由美さんの給与から毎月数万円を貯金に回すのがやっとで、とても「すぐにもう一人」など考えられる状況ではありません。由美さんが言葉に詰まっていると、隣でビールを飲んでいた健二さんが口を開きました。
「そうだなあ。俺もやっぱり男の子も欲しいし、そろそろかな」
何も考えていないような言葉に、由美さんは耳を疑いました。確かに毎月の家計簿を管理しているのは由美さんで、健二さんは、毎月決まった額を家計に入れ、残りは自分の趣味や交際費に使っています。おむつが1パックいくらするのか、来月から保育料がいくら引かれるのかなど、何も知りません。
その場は「そうですね、考えます」と愛想笑いでやり過ごした由美さんですが、本当の地獄は帰宅後に待っていました。
自宅に戻り、娘を寝かしつけた後、由美さんはリビングで健二さんを問い詰めました。「今の家計状況分かってるの? 私の収入があるから何とかなってるけど、2人目が生まれたら産休育休で収入が減るのよ。今の生活水準じゃやっていけない」と。すると健二さんは、キョトンとした顔でこう言い放ったのです。
「え、でも由美、結構稼いでるじゃん。なんとかなるでしょ?」
健二さんがあまりに現状を把握していないことに言葉を失った由美さん。このあと、ふたりは話し合い、田中家では小遣い制へと移行。健二さんは月3万円の小遣いでひーこら言っているといいます。