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国家公務員の平均給与「月41万円」だが…
人事院『令和6年国家公務員給与等実態調査』によると、国家公務員(給与法等の適用を受ける常勤職員)25万0,434人の平均給与月額は41万4,801円。さらに賞与総額はおおむね基本給の6~7ヵ月分に相当するとされています。仮に平均で6.2ヶ月分とすると、賞与総額は約257万円前後となり、基本給と合わせた年間収入は約754~755万円となります。
しかしキャリアを積んで上級職に就くと、基本給が大幅に増加し、中堅クラスでは月給50〜70万円、部長クラスやそれ以上の役職に達する場合は月100万円を超えることも珍しくありません。各種手当や賞与も含めると、年収1,000万~2,500万円以上となるケースもあります。
東大から官僚へ。まさに絵にかいたようなエリートコースを歩んでいた河野さん。現在の年収は、やはり大台突破?
――いえ、今は月収は30万円いかない程度。年収では400万円いくか、いかないか……でしょうか
実は河野さん、いまからさかのぼること10年ほど前にメンタルヘルス不調で休職、そのまま退職をしたといいます。5年ごとに行われる人事院『国家公務員長期病休者実態調査』によると、2021年、長期病休者は6,500人で全職員の2.32%。5年前調査と比べると1,174人増加しました。また傷病別にみると、「精神及び行動の障害」が4,760人。この5年で倍以上になっています。
メンタルヘルス不調者急増の理由のひとつに、過重労働があります。特に国会対応部署では、深夜まで灯りが消えない様子がニュースでもよく報じられています。問題視されているばかりか、東大生の官僚離れのひとつに数えられています。
河野さん、メンタルヘルス不調で休職をした際、復帰するという選択肢もありましたが、「何かがプチっと切れたんです」といいます。
――エリートコースといわれる先に幸せがある……そうは思えなくなって。もったいないという人も多かったですが、辞めることにしたんです
現在、学習塾で講師をしているという河野さん。給与は大きく減少しましたが、働く喜びは倍増したといいます。
――子どもたちの成長はスゴイ。昨日までできなかったことができるようになる……感動して泣きそうなときもあります。本当にやりがいのある仕事です
[参考資料]