(※写真はイメージです/PIXTA)
理想の地方移住を実現するも、現実の地方暮らしは厳しかった
見つけたのは最寄りの新幹線駅から車で15分、東京には新幹線で1時間強、会社にはドアツードアで片道1時間半という平屋の2LDK。敷地は100坪を超えた東京では考えられない広さ。敷地内に畑があるほか、その気になれば近所に農地を借りることもできます。価格は2,500万円。キャッシュで一括払いで購入を決断。東京の自宅は貸出し、毎月10万円程度の家賃収入を得られるといいます。
――まずは小さく初めて、2、3年後には農地を借りて……夢はどんどん広がっていきました
こうして叶えた地方移住。まさに利用のセカンドライフ……と順調にいく話ばかりではありません。地方での暮らしは想像しなかったことの連続でした。
シェア農園の一角を借り農業を楽しんでいたころは、面白いように野菜が育ちましたが、なかなかうまくいきません。近所の人からアドバイスを受けながら土づくりから始め、やっと育ってきたと思ったら、今度はイノシシやシカが畑を荒らし、跡形もない状態に。このままでは自給自足の暮らしなど夢のまた夢……「いきなりはうまくいかないものですよ」と慰められたといいますが、あまりに理想が高かったのか、大きな挫折だったといいます。
何もうまくいかなかった地方移住から1年。平野さん夫婦は、以前の家に舞い戻っていました。ちょうど自宅を貸していた家族が引っ越さなければいけなくなったタイミングで、地方での暮らしをいったん終了させる決断をしたのです。
――自給自足の生活はあまりにもハードルが高かったですね。そんな理想を実現するためには、時間も忍耐も必要と思い知りました。前みたいにシェア農園の一角を借りてのんびり野菜を育てるくらいが、私たちには合っているようです
平野さん夫婦。拠点を再び東京のほうに移し、地方に購入した家は当面、別荘として使うといいます。
[参考資料]