
初孫誕生で定年以降も働き続ける決断
60歳で定年を迎えた大野隆さん(仮名・60歳)。同じタイミングで、長男の翔太さん(31歳)に第1子が誕生しました。大野さんにとって初孫。新たな生きがいに、これまで感じたことのない喜びを感じたといいます。
――子どもが誕生したときもうれしかったけど、同じくらい責任感や緊張感を覚えて、手放しで喜ぶことはできませんでした。しかし孫の誕生については純粋に喜ぶことができる。人生の節目として深い感慨を覚えました
ソニー生命株式会社が行った『シニアの生活意識調査2024』によると、全国の50~79歳のシニアに「現在の楽しみ」を聞いたところ16.7%が「子ども・孫」」と回答。サラリーマン人生において大きな節目となる定年を迎え、いよいよ老後が見えてくる人、すでに突入している人にとって、孫の誕生はこの上ない喜びのようです。
【シニアに聞いた「現在の楽しみ」は?】
1位「旅行」…45.3%
2位「テレビ/ドラマ」…39.9%
3位「グルメ」…28.1%
4位「映画」…25.9%
5位「読書」…22.3%
6位「スポーツ」…20.8%
7位「音楽・楽器」…20.7%
8位「健康」…19.4%
9位「子ども・孫」…16.7%
10位「ガーデニング・家庭菜園」…15.9%
孫の誕生は大野さんの働き方にも影響を与えたといいます。
――うちの会社では定年を迎える社員のほとんどが再雇用を選んでいます。正直、私は「もういいかな」と思っていました。65歳になれば月18万円ほどの年金がもらえるみたいですし、退職金も2,000万円程度受け取れる。コツコツと貯金もしてきた。夫婦2人くらいであれば、十分暮らしていけると思っていたんです
ところが実際に孫が誕生してみると、「この子の将来のためにも」と働く意欲が湧いてきたといいます。
――今の親は大変じゃない。色々とモノの値段は上がっているし、税金も保険料も高くなっているし。私たちの世代が孫の面倒もきちんとみてあげる必要がある。そのためにはまずはお金。もう少し稼がないとと思って、定年後は契約社員として働くことに決めたんです
定年前は役職付の正社員で月収は60万円程度。定年を機に契約社員となり、月収は28万円。半分以下になりましたが、それでも孫を思うと、働く意欲が湧いたといいます。