(※写真はイメージです/PIXTA)
長男の嫁に託された姑の介護だったが…
義母・宮本悦子さん(仮名・78歳)と同居する真由美さん(仮名・54歳)。住まいは、今なお家督制度の意識が残る地方。結婚以来30年以上にわたり、長男の嫁として家族の期待に応えてきました。夫の両親と同居し、地域行事にもしっかりと参加し、子育てもしっかりとこなしてきました。
ただ長年の努力にもかかわらず、家族からの感謝や労いの言葉は少なく、むしろ当然の義務として受け取られることが多かったといいます。特に義母からの要求は厳しかったとか。
――やはり、今よりも厳しいなかで嫁いできた、という自負があるのでしょう。「私が嫁いできたときは」が口癖だったので
何とも面倒なところに嫁いできたもんだ……そう思うことも多かったといいますが、それなりに幸せだったといいます。ただ5年前には義父が亡くなったあと、78歳になる義母は自宅で派手に転倒し、大腿骨等を骨折。長い入院生活で筋力が衰え、結果、車イスが手放せなくなりました。要介護3。日常生活のあらゆるシーンで介助が必要です。当然、介護は長男の嫁の務め。必死でこなしていったといいます。
――最初は訪問系のサービスなどを頼んでいたのですが、義母との相性が悪くて。かえってそれがストレスになりました
【要介護者等からみた主な介護者の続柄別構成割合】
・同居する配偶者…22.9%
・同居する子…16.2%
・同居する子の配偶者…5.4%
・同居する父母…0.1%
・同居するその他の親族…1.2%
・別居する家族等…13.8%
・事業者…15.7%
・その他…0.6%
・不詳…26.0%
出所:厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』
外部の介護サービスの利用は最低限にして、義母の介護を一手に担った真由美さん。一度でも携わったことがあれば、どれほど大変なことかわかるでしょう。寝ている人を起こして車イスに座らせる。車イスに座っている人をベッドに寝かせる。それだけでも想像以上に力を使います。そんななか、無理がたたったのか、ある日悲劇が……。
――ひどいぎっくり腰になって