
女手ひとつで育ててくれた母…急性心筋梗塞で死去
タイから緊急帰国した横山直樹さん(仮名・52歳)。母・洋子さん(仮名・80歳)の訃報を受けて、緊急帰国しました。横山さんの父(洋子さんの夫)が亡くなったのは、横山さんが小学校低学年のときのこと。それ以来、洋子さんが女手ひとつで奮闘し、横山さんを大学まで進学させました。
――本当であれば、そばにいて、面倒をみないといけない年齢ではありましたが、「自分のやりたいことをやりな。自分の人生なんだから」というのが母は口癖で。興味のままタイで仕事ができているのは、母のおかげなんです
洋子さんの死因は急性心筋梗塞。たまたま訪ねてきた親戚に倒れているところを発見されたものの、手遅れだったといいます。
――倒れてから比較的早く見つかったので孤独死とはいわないそうで。ただひとりで亡くなったという事実は変わらないですよね
一般社団法人日本少額短期保険協会の孤独死対策委員会『第9回孤独死現状レポート』によると、孤独死した人の1万0,154人の男女割合は、男性が8,478人で83.3%、女性が1,676人で16.7%と、孤独死する人は男性が圧倒的に多いのがひとつの特徴。死亡時の平均年齢は62.8歳で、男女別では、男性が63.0歳、女性が61.8歳でした。
孤独死のうち、「病死」が63.8%。「自殺」9.2%、「事故死」0.9%でしたが、結局理由がわからない「不明」が25.9%。また発見までの日数は平均18日で、最も多いのは「3日以内」で38.1%。一方で「90日以上」も発見されなかったケースが3.2%ありました。
ちなみに孤独死が発生した際、入居者の家財道 具等を処分する費用や、居室内に生じた 汚損等の現状回復費用等が発生します。その損害額は平均29万5,172円。最大損害額は191万3,210円でした。また原状回復費用は47万4,170円で最大損害額は454万6,840円。家主・入居者双方にとって、孤独死は大きなリスクを抱えているといえるのです。