(※写真はイメージです/PIXTA)
給与2%増も家計支出は10%増…家計破綻も現実的
総務省『家計調査 家計収支編』によると、石田家と同じ5人の勤労世帯の1ヵ月の消費支出は、2024年12月調査で40万4,435円。そのうち食費は12万7,145円です。対し、2023年12月の消費支出は36万8,527円、食費は11万0,777円。支出は全体で9.7%増、食費に限ると14.8%増となっています。なかでもコメの支出は大きく増え、1年で82.5%増。「おかわりは勘弁!」と悲鳴をあげるのもうなずけます。
石田さんの給与は、月収で42万円、賞与も含めた年収が700万円ほど。この1年で月1万円ほど昇給しました。上昇幅は2%ほど。それに対し、支出は10%以上増えています。物価高の影響は甚大です。
――賃上げのニュースも聞くけど、うちみたいな中小企業はまだ先かな。景気のいい話は聞こえてこないから
厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年12月分結果速報』によると、一般労働者の現金給与総額は83万8,606円で、前年比4.9%。そのうち所定内給与は33万6,077円で前年比2.6%増、特別に支払われた給与は47万4,508円で、前年比6.6%増。冬の賞与が給与アップに貢献しました。
一方で実質賃金は企業規模30人以上で4ヵ月連続、5人以上企業で2ヵ月連続のプラスを記録しました。大企業を中心にベースアップを実現し、その効果が表れ始めたと専門家。新卒初任給30万円超えなどと景気のいい話が聞こえてきますが、中小企業にまでは波及しているかといえば不十分。まだまだ時間を要するといわれています。
――このまま給与は大した上がらず、でもコメの値上がりが続いたら……本当に育ち盛りの息子たちに潰されかねませんよ
家計が潰れるのが先か、それとも給与アップ、またはコメの値下げが先か。育ち盛りの子がいるファミリー層、想像以上に深刻な状況です。
[参考資料]