コメが1年で2倍近くも値上がりしたうえ、天候不順等で野菜も大きく値上がりし、家計は大打撃。年金生活者からは「何も買えない……」と嘆きの声が聞かれます。少しでも安く食べ物を手に入れようと、スーパーのタイムセールは大混乱だといいます。
何を食べて生きていけばいいのだろう…〈年金月12万円〉81歳男性、毎日18時に猛ダッシュ。戦場と化すスーパーのタイムセール「驚愕の実態」 (※写真はイメージです/PIXTA)

値引き品続々…戦場と化すスーパーのタイムセール

この物価高のなか、スーパーには日に2回来るのが日課になっているといいます。

 

――14時と18時の2回。このスーパー、毎日14時からタイムセールをするんだ。今日は納豆が1パック10円だった

 

もう1回は?

 

――ここでもタイムセール。残り物処分で弁当や総菜に割引シールがビシバシ貼られるから、急いで駆けつけるのが毎日の日課さ

 

18時のタイムセールは最近になって高齢者を中心にごった返すように。シールが貼られたその場から争奪戦になるといいます。その様子、「怒号が飛び交い、まるで戦場のよう」と中山さん。トラブル回避のため、スーパーでは総菜・弁当売り場を18時になる10分前にいったん閉鎖し、その間、買い物は一列に整列。値引きシールを貼り終わると、一人ひとり、希望のものをかごに入れていく……という、何ともおかしなスタイルになっているのだとか。

 

――今日は唐揚げとポテトサラダが残ってた。よかった、よかった

 

日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第100回<2024年12月調査>)』によると、2024年12月時点の景況感について「1年前と比べて良くなった」と回答したのは3.9%。3ヵ月前の調査6.9%から3ポイント近くも減少しました。また暮らし向きについて「ゆとりが出てきた」は4.7%で、こちらも3ヵ月前調査5.3%からダウン。さらに「ゆとりがなくなってきた」は57.1%と、52.7%から4ポイント以上も悪化しています。

 

日本全体が下降トレンドにあるなか、4月からの年金受取額は月額6万9,308円(老齢基礎年金満額支給の場合)と、令和6年度の水準から1.9%の引き上げとなることが発表となりました。一瞬、「おっ、景気のいい話だな」と思いきや、実際は来の年金の給付水準を確保するための「マクロ経済スライド」による調整で、引き上げ率は賃金の伸びより0.4%低く抑えられ、実質的には目減り。つまり「年金減額」となることが明らかになったのです。

 

――これ以上、何を節約したらいいのか……頭の痛い問題だな

 

[関連資料]

総務省統計局『小売物価統計調査』

日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第100回<2024年12月調査>)』

厚生労働省『令和7年度の年金額改定についてお知らせします』