人生における大イベントである「結婚」。昨今は「あえて結婚しない」という選択肢も増えていますが、カタチは変われど、多くの人が「いずれは……」と思い描いています。一方で、せっかく結婚にこじつけたものの、破談という結果を迎えることも。その破談の理由が「家族」ということもあるようです。
お前らのせいで人生めちゃくちゃだよ!〈月収45万円・35歳サラリーマン〉、3年間の交際を実らせ婚約も破談。彼女が告げた理由に「家族を呪うしか」 (※写真はイメージです/PIXTA)

破談の原因は「15年間実家に引きこもる長男の存在」

急転直下の破談劇。果たして、何があったのか……。

 

――いっていなかった私も悪かったのですが、原因は3歳上の兄の存在です

 

婚約し、次のステップとなる両家の顔合わせ。その前に、3歳年上の兄が実家に引きこもり状態であることを彼女に打ち明けました。以前ほど意識されなくなったとはいえ、結婚は家と家のもの。家族がどのような人であるか、伝えないわけにはいきません。

 

――引きこもりの兄がいることをネガティブに感じることはあっても、結婚が破談になるとは思ってもみませんでした

 

彼女から「両家の顔合わせはキャンセルしたい」「やっぱり結婚できない」といわれ、その理由を告げられたとき、目の前が真っ暗になったという高橋さん。結婚が破談になったことは、親にも伝えなければなりません。

 

――電話で伝えました。話していると段々と怒りが湧いてきて、思わず「お前らのせいで人生がめちゃくちゃだよ!」と怒鳴ってしまいました。もう家族を呪うしかないと……そういう気持ちだったんです

 

電話をガチャ切りしたあと、しばらく興奮状態が続きました。しかし、冷静さを取り戻すにつれて、「何てことをいってしまったのか」と、涙があふれてきたといいます。

 

高橋さんの3歳年上の兄は、大学卒業後、就職をしたものの適応障害を発症し、退職。その後、実家に引きこもるようになり、15年ほどが経ちます。最近は少しずつではあるものの、近所のコンビニなどにはひとりで外出できるようになったといいます。

 

――一番つらかったのは両親であり、兄、本人だったのに。いってはいけないことをいってしまったと……

 

その後、両親には謝罪。「気にすることはない。それより、すまなかった」と謝られ、さらに号泣してしまったといいます。

 

厚生労働省『令和5年労働安全衛生調査』によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者がいた事業所の割合は13.5%。このうち、連続1ヶ月以上休業した労働者がいた事業所は10.4%、退職した労働者がいた事業所は6.4%でした。また労働者が感じるストレスの内容としては、「仕事の失敗や責任の発生」が39.7%で最も多く、次いで「仕事の量」が39.4%、対人関係(セクハラ・パワハラを含む)が29.6%となっています。

 

メンタルヘルスの不調により、引きこもり状態になることはよくあるパターン。実際に家族のなかにいる、というケースも珍しくないでしょう。

 

その後の高橋さん。今回の破談は誰もが悪くなく、ただ縁がなかっただけと思うようにしているといいます。

 

 

[参考資料]

アニヴェルセル株式会社『恋愛・結婚意識調査…プロポーズの場所ランキング』

アニヴェルセル株式会社『恋愛・結婚意識調査…プロポーズの最新動向』

厚生労働省『人口動態調査』

厚生労働省『令和5年労働安全衛生調査』