長寿化とともに、逃れることはできない親の介護問題。なかには「義親の介護問題」を抱えている人もいるでしょう。ただでさえ、義親との関係は難しいのに、そこに介護が加わると負担は実親以上に大変。なかには、最悪の結末に至るケースも珍しくないようです。
あんたらの召使いじゃないんだよ!〈年金15万円・要介護3〉75歳義母のワガママに45歳妻がブチギレ。突きつけた「最終通告」に夫、血の気が引く (※写真はイメージです/PIXTA)

明日は魚が食べたいといっていたのに…突如、肉料理を要求する義母

「1日1時間、2時間程度なら……」と始めた、義母の介護。義実家は銀所であることもあり、体力的な負担はそこまで大きくはなかったとはいいます。それよりも大変だったのは精神的な負担。義母の要求に応えることに次第にイライラを募らせていったといいます。特に、義母が「もっと早く食事を用意してほしい」「この料理は嫌だ」とわがままをいうたびに、ストレスは積み重なっていきました。

 

――小さな子どもならいいですよ。「悪い子ですね、きちんと食べましょうね」なんて食べさせたらいいんですから。75歳ですよ、いい大人ですよ。なに甘えてるんだっていう話ですよ

 

なぜ自分の生活もあるのに、こんなに要求されなければならないのか……次第に感情が高ぶっていきました。そしてある日、事件が起こります。前の日のリクエストを受けて魚料理を準備しているとき、義母が「今日は肉が食べたい!」と言い出し、さらに「遅い、もっと早くして」と不満を漏らしました。そこでプチンと何かが切れた結子さん。

――(お義母さん! 昨日は「魚が食べたい」といっていましたよね。だからわざわざ買ってきたんですよ。子どもじゃないんだから我がままばかりいわないでください!)

 

と心のなかで叫び、とりあえず、冷凍庫にあった鶏肉を解答。ささっと肉料理を作り、食べさせ、その日は帰宅。夫はまだ帰っておらず、チャイムがなったのは23時過ぎ。お酒を飲んできたのか、顔は真っ赤だったといいます。そこでさらに怒りが増したという結子さん。ついに「もう我慢できない!」と爆発したといいます。

 

――私はあんたらの召使いじゃないんだよ!

 

そういい放ち、用意していた封筒を夫に叩きつけた結子さん。そのまま出ていき、その日は近所のホテルで一泊したといいます。

 

ちなみに封筒に入っていたのは、サイン済みの離婚届。その存在を知って、血の気が引いたのでしょう、朝起きると、すごい数の着信だったといいます。

 

実際に離婚については本気だという結子さん。

 

――これまで感謝やねぎらいの言葉が一度もないんですよ、お義母さんも、夫も義兄弟も。介護を通じて「こんな人たちと家族でいたくない!」という気持ちでいっぱいになりました

 

日本の離婚率は2023年、人口1,000人あたり1.52。前年1.47から若干上昇しました。ちなみにこの年の婚姻件数は約47万4,717組、離婚件数は約18万3,808組。離婚件数自体は減少傾向だといいますが、約2分ごとに1組が離婚しています。そのなかには、義親の介護をきっかけとした離婚も相当数いると考えられます。

 

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』

厚生労働省『令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況』