人生には、結婚や独立、キャリアアップなど、大きな転機が訪れることがあります。そうした変化は、喜びや期待をもたらす一方で、これまで意識していなかったリスクに目を向けるきっかけともなります。特に健康状態の変化や家族構成の変化は、将来への備えを考えるうえで重要な要素です。本記事では、山口茜さん(仮名)の事例とともに結婚と保険について、FPdream代表FPの藤原洋子氏が解説します。
三食母の手作りご飯を食べ、31年間実家暮らしの年収600万円・女性管理職…結婚後に起きた異変。気がついた「衝撃の事実」【FPの解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

母親の献身的なサポートのもとで暮らしていた独身時代

首都圏にお住まいの山口茜さん(仮名/32歳)は、メーカーにお勤めです。20代で大学時代からお付き合いのあった同い年の健太さん(仮名/32歳)と1年前に結婚し、健太さんの会社の社宅で暮らしています。茜さんは昨年、異例のスピードで課長に昇進し、年収は600万円になりました。

 

茜さんは、結婚するまで現在の住まいと同じ市内にある実家で、両親と一緒に暮らしていました。茜さんの母親(61歳)はパート勤めをしながら、会社員の父親(64歳)や茜さんのためにと、家事や育児のほとんどを担当していました。

 

茜さんは、小学校に入学するころまで、食が細く比較的身体の小さいお子さんでした。熱を出すなど体調を崩すこともしばしば。母親は、体力をつけさせなくてはと、水泳教室に通わせたり、公園へ連れ出して近所の子どもたちと遊ばせたりしていたそうです。茜さんが食べやすいものをと食事にも注意を払っていました。

 

そういった母親の対応のお陰か、茜さんが小学校に入学してからは、体調を崩すことも少なくなり、中学校3年間は学校を一度も休まず通うほどに。大学まで水泳部に所属し、高校では部長も務めました。就職してからも、日常の細々としたことや、昼の弁当作りまで食事の準備はすべて母親が行っていました。

住み慣れた実家を出て夫婦2人の生活で気づいたこと

結婚して1年が経ち、生活全般のことや仕事を夫の健太さんと協力しながら過ごしてきました。30歳を過ぎたころから、わずかに体調の変化を感じるようになったそうです。20代のころは、熱が出たとしても一日休めば回復していたのに、このごろは2、3日と日数がかかるようになっていることに気が付きました。

 

いままで「私に保険は必要ないわ」と考えていました。しかし、実家をでたことにより、「私が病気などで会社を辞めなければならなくなったら、どうすればいいのかしら」そんなことを考えるようになったそうです。健太さんの年収は450万円。茜さんの父親は、来年、長年勤めた会社を退職します。夫やこれから年金生活に入る両親に頼ることはできないと思っています。

 

健太さんは関西圏の出身で、希望の大学に通うため首都圏に住むことになり、そのまま首都圏で就職しました。健太さんは、就職した際に、母親が加入している生命保険会社の保険外交員に、勧められた生命保険に加入していました。半年後に契約の更新時期を迎えます。

 

一方茜さんは、生命保険について真剣に検討したことはありません。そこで健太さんと茜さんは、これからの2人に必要な保険や保険金額について、まずはアドバイスを受けようと考え、保険商品を扱わないファイナンシャルプランナーに保険相談の申し込みをしました。