仕事を評価され、昇進していくサラリーマンたち。いずれは管理職とされる役職に就き、給与も驚くほどアップ! 思わず笑みがこぼれるという人も。しかし管理職となったサラリーマンのなかには、後悔を口にする人も珍しくないようです。
管理職なんてなりたくなかった…「月収61万円・43歳サラリーマン」ある日、寝ている家族の前で大号泣。〈年収300万円アップ〉で歓喜も崩壊寸前「もう限界でした」 (※写真はイメージです/PIXTA)

業務もストレスも増加…限界ぎりぎりの管理職たち

管理職になって1年以上経ちますが、当初は今以上にストレスを感じていたという橋本さん。

 

業務量が激増し、帰宅するのは毎日深夜。会社では上から激詰めされ、部下からは上への批判があちらこちらから上がり、調整ごとであっちにこっちに右往左往。とても平日だけでは仕事は終わらず、休日が潰れてしまう。

 

――「管理職なんてなりたくなかった……」と、常に頭のなかでつぶやいていました。もう限界だったんでしょうね。深夜、帰宅すると当然家族は寝ていて。妻や子どもたちの寝顔を見ていたら、涙が止まらなくなったときがありました

 

異変に気が付き目を覚ました橋本さんの妻。目の前で大の大人が号泣しているものだから、ぎょっとした様子。ただ管理職になってから、いつ帰ってきているのか不明、休みの日もパソコンを開いて作業をしているのをみていたので、なんとなく事情を察してくれたといいます。

 

――みっともない姿をみせてしまいましたが、次の日、「ツライなら辞めてしまえ!」といわれて。あまりの威勢のよさに、なんか悩んでいる自分がバカらしくなって、肩の力がスッと抜けた気がしました

 

また社内でも先輩の上司がさりげなくサポートにまわるなど、フォローが厚くなったといいます。

 

――どうやら、橋本がヤバいらしいという話があがったようで。会社としてもここで潰すわけにはいかないと考えたようです

 

前述の調査でも「管理職を辞めたい」と考える管理職は15.9%。役職別にみていくと、「係長・チーム長」が最も多く20.5%。橋本さんと同じく「課長」は17.1%、「次長」が18.2%、「部長」が8.0%、「本部長」が2.9%。「中間管理職」と呼ばれるポジションほど、管理職から降格したいという人が多い傾向にあります。橋本さんのように、上からも下からもプレッシャーが……そんなストレスが原因でしょうか。

 

課長になってから1年ほど経ち、管理職としての業務にも慣れ、労働時間も減ったという橋本さん。ただ中間管理職としてのストレスは今なお多いといいます。

 

――このストレスから逃れるためには、さらに昇進を目指すしかなさそうです

 

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

株式会社マイナビ『管理職の悩みと実態調査』