
業務もストレスも増加…限界ぎりぎりの管理職たち
管理職になって1年以上経ちますが、当初は今以上にストレスを感じていたという橋本さん。
業務量が激増し、帰宅するのは毎日深夜。会社では上から激詰めされ、部下からは上への批判があちらこちらから上がり、調整ごとであっちにこっちに右往左往。とても平日だけでは仕事は終わらず、休日が潰れてしまう。
――「管理職なんてなりたくなかった……」と、常に頭のなかでつぶやいていました。もう限界だったんでしょうね。深夜、帰宅すると当然家族は寝ていて。妻や子どもたちの寝顔を見ていたら、涙が止まらなくなったときがありました
異変に気が付き目を覚ました橋本さんの妻。目の前で大の大人が号泣しているものだから、ぎょっとした様子。ただ管理職になってから、いつ帰ってきているのか不明、休みの日もパソコンを開いて作業をしているのをみていたので、なんとなく事情を察してくれたといいます。
――みっともない姿をみせてしまいましたが、次の日、「ツライなら辞めてしまえ!」といわれて。あまりの威勢のよさに、なんか悩んでいる自分がバカらしくなって、肩の力がスッと抜けた気がしました
また社内でも先輩の上司がさりげなくサポートにまわるなど、フォローが厚くなったといいます。
――どうやら、橋本がヤバいらしいという話があがったようで。会社としてもここで潰すわけにはいかないと考えたようです
前述の調査でも「管理職を辞めたい」と考える管理職は15.9%。役職別にみていくと、「係長・チーム長」が最も多く20.5%。橋本さんと同じく「課長」は17.1%、「次長」が18.2%、「部長」が8.0%、「本部長」が2.9%。「中間管理職」と呼ばれるポジションほど、管理職から降格したいという人が多い傾向にあります。橋本さんのように、上からも下からもプレッシャーが……そんなストレスが原因でしょうか。
課長になってから1年ほど経ち、管理職としての業務にも慣れ、労働時間も減ったという橋本さん。ただ中間管理職としてのストレスは今なお多いといいます。
――このストレスから逃れるためには、さらに昇進を目指すしかなさそうです
[参考資料]