老後の生活を支える公的年金。しかし年金だけで暮らせる人は少数派で、働いて収入を得たり、貯蓄を取り崩したり。なかには、子どもから仕送りをしてもらっている人も。しかし、子どもの事情で仕送りがストップ。窮地に陥るケースも少なくはありません。
「手取り月36万円」45歳サラリーマン、ローン返済と教育費で家計は火の車。「小遣い月3万円」で我慢も…78歳母からの「お金を貸して」の電話に絶句「どうしたら良いのか」 (※写真はイメージです/PIXTA)

東北の実家でひとり暮らしの母からの電話「お金、貸してくれないか?」

――私だけの給与ではとてもとても。契約社員で働いている妻の給与を足して、何とかやっているレベル

 

削れるところは徹底して削る……そんな方針のもと、池田さんの小遣いも削られ、月3万円。毎日、自分でお弁当(白米を詰めるだけ)を持参してしのいでいるといいます。

 

――弁当箱をあけると白米だけですから、周りはドン引きですよ(笑)

 

それもこれも家族のため……涙ぐましい努力を続ける池田さんのもとに一本の電話。それは東北の実家に暮らす母(73歳)からでした

 

――「お金、貸してくれないか」というもので……

 

思わぬ申し出に、一瞬、言葉を無くしてしまったという池田さん。実家は雪深い北国。そろそろ家を直さないと、今年の冬は越せそうもない。なんとか工事費用を工面しようとするも、年金生活のなかでは限界があり、長男である池田さんに相談、ということでした。

 

――物価高で何を買うでも高くて。灯油もずっと高いまんまだし、年金だけだとお金が足りないのさ

 

離れて暮らす高齢の母親。顔を合わせるのは1年に1回か、2回か。最近は会うたびに背中が小さくなっていくのを感じます。そんな母親からの願い事ですから叶えてあげたいけれど、月3万円の小遣いで耐える身。ローン返済に教育費と、とてもお金を貸すほどの余力はありません。「どうしたらよいのだろう」と考えても自分だけでは埒が明かないので妻に相談してみるも、池田さんと同じように絶句。ただ「寒い家で体調を崩されたら、もっともお金がかかるだろうし……」と心配を口にします。そこで妻からこんな提案。

 

――とりあえず、お小遣い、もう1万円頑張ろうか。私もお義母さんをサポートできるよう、やりくりしてみるから

 

なんと、さらにお小遣いが減るのは正直かなり苦しい。しかし、自分のできることといえば……。45歳サラリーマン、月2万円のお小遣いで頑張っています。

 

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[参考資料]

文部科学省『令和5年度子供の学習費調査』

厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査(速報)』