国民年金の満額受給は月6万8,000円。会社員や公務員であれば、さらに厚生年金が上乗せとなります。しかし、誰もが十分な年金を受け取れるわけではなく、なかには思いもせず低年金の人も。そんな人を対象に「年金生活者支援給付金制度」もありますが、この物価高の世の中では、雀の涙程度にしかならないようです。
77歳男性「年金月5万円」「家賃月2万5,000円」の極貧生活。年金機構から「年金月4,000円増」の知らせに思わず悪態「これでどうしろと?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

77歳男性、人生の誤算…年金保険料10年近く未納

家賃2万5,000円の公営団地で暮らす金子隆さん(仮名・77歳)。高校を卒業後に就職した会社はバブル後、金子さんが50代になる前に突然倒産。その後は就職先が見つからず、職を転々としてきました。これまでを振り返ると「ろくな人生じゃない」と吐き捨てます。

 

――人生の一番の誤算は、30年近く勤めていた会社がろくでもなかったことかな

 

と金子さん。会社が倒産してから、実は年金保険料がしっかりと払われていなかったことが発覚したといいます。

 

――自分もろくでもない人間だから、働いていた会社もろくでもなかったということかな。きちんと給与明細を見ていたらわかっていたのかもしれないけど、老後のことなんて気にしているような人も少なかったからな

 

今ほど老後に対しての不安がなかった時代。年金保険料の未払いについても、今ほど厳格ではありませんでした。また50代前ということで、老後に対する意識も薄かったことも、年金保険料未払いに気づかなかった要因かもしれません。

 

 

【老後生活に対して不安感を覚えている人の割合】

1981年…20.3%

1985年…27.4%

1990年…32.8%

1995年…37.1%

2001年…47.1%

2005年…48.3%

2010年…52.4%

2015年…55.7%

2021年…58.5%

2022年…63.5%

2023年…63.6%

2024年…62.8%

※出所:内閣府『国民生活に関する世論調査』より

 

結局、10年近くあった保険料滞納分は埋めることができず、現在の年金受給額は月5万1,000円ほど。もちろん月5万円では生活することはできず、年金を受け取り始めてからも働き続けていたといいます。

 

――直近、工場で働いていたときは、手取りで月15万円くらいになっていたかな。ひとりで暮らしていくのなら十分だよね

 

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