老後の生活を支える公的年金。しかし年金だけで暮らせる人は少数派で、働いて収入を得たり、貯蓄を取り崩したり。なかには、子どもから仕送りをしてもらっている人も。しかし、子どもの事情で仕送りがストップ。窮地に陥るケースも少なくはありません。
ごめん、もうお金は送れない…実家でひとり暮らす〈年金月6万円〉の82歳母、60歳息子からの〈仕送り月5万円〉の停止に悲鳴「どう生きていけばいいのか」 (※写真はイメージです/PIXTA)

親に仕送りしている世帯は、全世帯のわずか2%

厚生労働省『令和元年国民生活基礎調査』によると、親に仕送りをしている世帯は全体の2%ほど。親への仕送りの平均額は月に約5万4000円ですが、最も多い金額帯は「2万~4万円未満」です。仕送りの目的は多岐にわたり、日常生活費や医療費、介護費用などが含まれます。

 

結構な額を親に仕送りしていますが、親に仕送りできるのは全世帯のわずか2%の話。98%は、親に仕送りするほどの余力がなかったり、仕送りする必要がなかったり、という人たちです。

 

厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』によると、所得の100%が公的年金等が占める高齢者世帯は41.7%。80~100%という世帯が17.9%。ほぼ年金という高齢者が6割という状況です。

 

そんな年金をどれほどもらっているかというと、国民年金だけをもらっている人であれば平均月5万7,700円。厚生年金ももらっている人であれば平均月14万7,360円。65歳以上男性に限ると月16万9,484円、女性で月11万1,479円です。

 

国民年金は満額受給は令和6年度、月6万8,000円。会社員経験(=厚生年金の加入歴)がなければ、どんなに頑張ってもこれが年金のマックス。会社員や公務員経験があれば、国民年金に加えて厚生年金ももらうことができますが、年金月7万円未満という厚生年金受給者は、全体の5%。男女別にみていくとい、男性では2.5%、女性では10.0%。山田さんと同じような金額か、それ以下の年金という高齢者は決して珍しいことでは……これが現実です(参考記事:『【早見表】「年金受給額」分布…〈令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況〉』)。

 

息子からの仕送りがストップし、生活が不安視される山田さん。少なからず貯蓄があるため、生活保護を受けることはできず……不安な毎日が続きます。

 

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[参考資料]

厚生労働省『令和元年国民生活基礎調査』『令和5年国民生活基礎調査』

厚生労働省『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』