(※写真はイメージです/PIXTA)

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は、鉄骨、鉄筋、コンクリートを組み合わせた高強度の建築構造です。SRC造は優れた耐震性と耐火性を持ち、大規模な建築物に適していますが、その特性ゆえに独自のメリットとデメリットがあります。本コラムでは、SRC造の特徴、他の構造との比較、そして法定耐用年数や実際の寿命について詳しく解説します。

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SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造 )のデメリット

SRC造は、高い耐震性や耐火性を持つ優れた建築構造ですが、デメリットも存在します。ここでは、SRC造の以下の3つのデメリットについて詳しく解説します。

 

  • 建築コストが高くなる
  • 高気密であるためカビが発生しやすい
  • 工期が長くなる

 

建築コストが高くなる

SRC造は他の建築構造と比較すると、建築コストが高くなります。SRC造では高品質な鉄骨や鉄筋、強固なコンクリートの3種類の材料を使用します。特に、鉄骨は高強度の鋼材を使用し、鉄筋も複雑な配筋が求められるため、他の建築構造よりも高額になります。

 

また、SRC造は鉄骨と鉄筋を組み合わせて施工するため、高度な技術と経験が必要です。そのため、工事全体の手間と時間が増加し、施工費用が上昇します。また、SRC造の設計には高度な構造計算や詳細な施工図が必要であり、それに伴う費用も高くなる傾向があります。

 

高気密であるためカビが発生しやすい

SRC造は高い気密性を持つため、省エネルギー性能や快適性はありますが、一方で湿気がこもりやすく、カビの発生リスクが高まるというデメリットがあります。SRC造の高い気密性は、コンクリートと精度の高い施工によって実現されていますが、湿気が外部に逃げにくくなります。RC造も高い気密性を持つため、SRC造と同様にカビの発生リスクが高くなります。

 

一方で、S造はSRC造やRC造に比べて、湿気がこもりにくく、カビの発生リスクはやや低くなります。ただし、壁材や断熱材の選択によっては気密性が高くなる場合もあるため、注意が必要です。W造は、木材自体に湿気を適度に吸収・放出する能力があるため、カビの発生リスクは比較的低くなります。ただし、湿気によって木材自体が腐りやすいという別の問題もあることも理解しておきましょう。

 

工期が長くなる

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は、その構造的特性から工期が長くなる傾向があります。SRC造では基礎工事から始まり、鉄骨工事(製作・運搬・建方)、鉄筋工事、型枠工事、コンクリート打設まで多岐にわたる工程があります。それぞれの工程には専門的な技術と時間が必要であり、その結果として全体的な工期延長につながります。

 

RC造は、鉄骨工事が不要なため、SRC造と比較すると工期がやや短くなります。また、S造は、コンクリート打設や養生期間が少ないため、SRC造やRC造よりも工期が短くなります。W造は現場での加工作業が発生するため、基本的にS造よりも工期が長くなる傾向にあります。

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