(※写真はイメージです/PIXTA)

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は、鉄骨、鉄筋、コンクリートを組み合わせた高強度の建築構造です。SRC造は優れた耐震性と耐火性を持ち、大規模な建築物に適していますが、その特性ゆえに独自のメリットとデメリットがあります。本コラムでは、SRC造の特徴、他の構造との比較、そして法定耐用年数や実際の寿命について詳しく解説します。

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SRC造は現在あまり建築されていない

近年、新築マンションではSRC造の割合が減少し、RC造での建築が増加しています。

 

これは、建築技術の進歩により、RC造でも従来以上の耐震性・耐久性が実現可能となったことが大きな要因です。また、RC造はSRC造に比べて建築コストを低く、物件価格を抑えることができます。結果として、コストパフォーマンスと技術進化の観点から、現在の新築マンション市場ではRC造が主流となっています。

 

なお、SRC造の需要はRC造の性能向上により縮小傾向にあるものの、高い強度を必要とする高層マンションやオフィスビルでは採用されています。

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造 )のメリット

SRC造は他の建築構造より優れた強度から多くのメリットが存在します。ここではSRC造の以下のメリットを解説します。

 

  • 広々とした空間を実現できる
  • RC造よりもさらに高い耐震性・耐火性を持つ
  • 耐久性が高いため資産価値を維持しやすい

 

広々とした空間を実現できる

SRC造は、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせているため、強度が高く、建物に使用する柱を細くしたり減らしたりすることができます。それにより、開放的で広々とした空間を実現することができます。

 

RC造も開放感を出せますが、SRC造ほどの大きな空間設計には限界があります。また、S造は低層建築であれば、比較的広い空間を作ることができます。一方で、W造はコストが抑えられるものの、構造上、広い空間の確保には不向きです。

 

RC造よりもさらに高い耐震性・耐火性を持つ

SRC造は、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせることで、W造やS造だけでなくRC造よりもさらに高い耐震性と耐火性を持ちます。

 

耐震性においては、SRC造は鉄骨の強力な引張強度と、コンクリートの圧縮強度を活かすことで、地震による揺れや衝撃を効果的に吸収・分散します。また、SRC造では建物全体の重心を低く保つことができ、地震時の揺れをさらに抑制する効果もあります。

 

一方、耐火性においても、鉄骨は高温にさらされると強度が低下しますが、鉄筋コンクリートがその熱を遮断し、構造の損傷を防ぎます。

 

耐久性が高いため資産価値を維持しやすい

SRC造は、資産価値を維持しやすくなる傾向にあります。鉄骨の強度と鉄筋コンクリートの耐火性・耐震性を組み合わせることで、長期間にわたって資産価値を維持することができるためです。

 

また、SRC造が採用される高層マンションやオフィスビルなどは、安定した構造が求められますが、これらの建物は需要の高い都市部に建設されることが多く、これも資産価値を引き上げる要因となっています。

 

RC造も同様に高層マンションなどに採用されやすく、資産価値が高くなる傾向にあります。S造もSRC造やRC造ほどではないですが、耐用年数が長いことや優れた耐震性を持っているため、資産価値を維持しやすいです。W造は地震や火事に弱く、材質も鉄やコンクリートと比較すると脆いため、他の建築構造と比べると資産価値は維持しにくくなります。

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