都道府県別にみる、最新「年金」の受給状況
続いて47の都道府県別に年金の受取額をみていきましょう(関連記事:『【ランキング】47都道府県「年金受給額」…〈令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況〉』)。
老齢厚生年金受給者の平均受給月額が最も多いのは「神奈川県」で、併給の国民年金も合わせて16万6,578円。2位以下は「千葉県」「東京都」「奈良県」「埼玉県」と続きます。一方で最も平均受給月額が少ないのは「青森県」で12万4,383円でした。その差月4万2,195円。1年で50万円もの差が生じています。老後の生活を支える公的年金。地域によって物価に差はありますが、年間50万円の差はかなりの大きさです。
【都道府県「厚生年金受給額」上位5、下位5】
1位:神奈川県…16万6,578円
2位:千葉県…16万1,368円
3位:東京都…15万9,921円
4位:奈良県…15万8,862円
5位:埼玉県…15万8,003円
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43位:山形県…12万7,133円
44位:宮崎県…12万5,499円
45位:秋田県…12万5,476円
46位:沖縄県…12万5,435円
47位:青森県…12万4,383円
また、老齢基礎年金受給者の平均受給月額が最も多いのは「富山県」で6万1,220円。最も少ないのは「沖縄県」で5万2,837円。「富山県」は満額の92%の受給額、「沖縄県」は86%の受給額でした。
【都道府県「国民年金受給額」上位5、下位5】
1位:富山県:6万1,220円
2位:福井県:6万0,532円
3位:島根県:6万0,497円
4位:長野県:6万0,262円
5位:石川県:6万0,170円
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43位:高知県:56,268円
44位:和歌山県:56,067円
45位:大阪府:55,463円
46位:青森県:55,369円
47位:沖縄県:52,837円
多様化する老後の生活…年金の受取り開始時期にも変化
老後の生活を支える公的年金。理想は年金だけで生活できることですが、元会社員・公務員で、月14万円ほどの年金だと心許ない。そこで昨今おススメされているのが、「繰下げ受給」です。原則、65歳から受け取り開始となる老齢年金ですが、66~75歳の希望のタイミングまで受取り開始時期を遅らせることができます(昭和27年4月1日以前生まれの場合は上限70歳)。1ヵ月遅らせるごとに65歳時点の年金から0.7%アップ。最大84%受取額を増やすことができます。
そんな年金の繰下げ受給を選択している人は、厚生年金受給権者で44万5,178人。これは全体の1.6%にあたります。過去5年間の推移をみていくと、0.8%→1.0%→1.2%→1.3%→1.6%と着実に増えています。
また、年金を早く受け取る代わりに0.4%減額(昭和37年4月1日以前生まれの場合は0.5%)となる繰上げ受給を選択している人は25万9,815人。これは全体の0.9%にあたります。また過去5年の推移をみていくと、0.4%→0.5%→0.6%→0.7%→0.9%と、こちらも着実に増えています。
月年金受給額を増やしたいと繰下げ受給を選ぶ人。一方で、月受取額が減ってもいいから早く年金をもらいたいと年金の繰上げ受給を選ぶ人。どちらも増加傾向。働ける年齢が引き上げとなり、老後の生活は多様化しています。それに伴い、いつから年金を受け取るかという選択も人それぞれ、多様化しているようです。
年金を元に、どのような老後を描くか……しっかりとイメージしておくことが肝心です。
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[参考資料]