教員の「残業代に代わる上乗せ額」引き上げへ
公立学校の教員は勤務時間の線引きができないため、残業代に代わり「教職調整額」として月給の4%を上乗せすることになっています。今回、処遇改善を目指し、政府は2026年1月から、現行から1%増の5%とし、2030年度までに段階的に10%にする方針を固めました。
引き上げ額については、一度に13%まで引き上げたいという文部科学省と、時間外勤務の削減などに応じて段階的に10%への引き上げを目指すという財務省との間で意見が対立していました。
どちらにせよ、過重労働により下降の一途を辿っていた教員人気に歯止めがかかると期待されています。ただ、現場の教員からはこんな声も。
――上乗せ額を増やせば教員人気が復活するなんて、あまりに浅はか。教員は給与はもらっているほうだと思いますよ。問題はそこじゃない。お金では、どうにもならないところまで来ているという危機感が上にはない
40代・東京都の男性教員、いらだちを隠せません。発言にもあったとおり、教員の給与は決して安くはありません。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、正社員の平均給与は月収で33万6,300円、年収で544万8,800円。一方、職種別に平均給与をみていくと、高校教員は月収で42万5,200円、年収で681万3,200円、小・中学校教員は月収で40万8,100円、年収で645万2,500円。145職種中、高校教員は10位、小・中学校教員は14位です。正社員の平均給与よりもだいぶ高く、職種別でも「稼げる職業」といえるでしょう。そのようななか、多少残業代が上乗せされたからといって教員になりたいという人が増えるとは思えないという現場の声は、至極真っ当な意見です。
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