定年を迎えたサラリーマンの多くが直面する現実は「給与の大幅な減少」です。特に60歳を過ぎると、再雇用や定年延長制度を利用する場合、給与が現役時代の30%ほど減少するのが一般的。さらには5割以上も減るケースもあり、「働き続ける」と決めた心をへし折られることも珍しくないようです。
こんなに会社に尽くしたのに…月収32万円・60歳サラリーマン、定年後の「初給与」に思わず絶句。ひとり〈350円のコンビニ弁当〉を食らう「寂しいランチタイム」 (※写真はイメージです/PIXTA)

定年サラリーマン…「家計の見直し必須」の厳しい現実

総務省『家計調査 家計収支編』によると、2023年、世帯主が「50代後半の世帯(勤労世帯)」における1ヵ月の支出は平均34万5,335円。「60〜64歳の世帯」では31万4,570円、「65〜69歳の世帯」では30万9,526円。また「65歳以上の無職の夫婦のみの世帯」では25万5,792円です。

 

定年を機に給与が平均3割減となるなか、支出も抑えないと生活は破綻します。現役時代と比べて、最終的に月10万円ほど家計を見直し、割合でいうと25%ほど支出をカットしなければなりません。

 

内藤さんも定年&給与減を機に、家計を大きく見直しました。

 

――削れるところといえば、手っ取り早いのが毎月の小遣いですよね。

 

定年以降の小遣いは月4万円。物価高のなか、ワンコインランチなどは昔の話。1,000円を超えるのも、今では当たり前ですし、定年前はそんなランチを普通に取っていたといいますが――。

 

――そこのコンビニで買える350円のお弁当。白米と、少量のおかずが2品だけ……今の小遣いでは、これが精いっぱいですよ

 

そんなランチを一緒に食べる同僚などおらず、会社近くの公園や自分のデスクで寂しくランチタイムを過ごすのが日課だといいます。

 

「年金の受給が始まるまでは働こう!」と、自分で再雇用を希望したものの、こんなに心寂しくなるとは思っていなかったと内藤さん。現在の仕事は、現役社員のフォロー業務。正直、誰がやっても同じ、と思えるような仕事だといいます。「大変だったけど、会社の最前線で奮闘していたころに戻りたい」と、ポツリつぶやきます。

 

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[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

総務省『家計調査 家計収支編 2023年平均』