60歳定年。その後、再雇用で働き続けるか、転職して働き続けるか、または退職して無職になるか。多くのサラリーマンは60歳を機に大きくこの3択に迫られます。同じく退職金についてもどうするか、検討しなければなりません。なかにはあまりに考えが浅はか、といわざるを得ないケースも。
銀行なんて信じなければよかった…退職金2,300万円・真面目に働いてきた60歳定年サラリーマン、大学の同期から聞いた「まさかの真実」に茫然 ※写真はイメージです/PIXTA

定年を機に「月収4割減」…漠然と広がる老後不安

伊藤哲也さん(仮名・60歳)。大学を卒業して入社した大手機械メーカーで働くこと38年、定年を迎えました。伊藤さんが勤めている会社では、退職金を一時金でもらうか、年金でもらうか、またはそれらを組み合わせてもらうことができましたが、伊藤さんは一時金でもらったといいます。その額、2,300万円。

 

――そんな大金が振り込まれるのを、一度見てみたかったんですよね

 

厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、従業員1,000人以上の大企業で働く大卒サラリーマンの定年退職金の平均は2,191万円です。。また、勤続35年以上の場合、平均退職金は2,242万円となっています。さらに詳細なデータを見ると、勤続38年で60歳の大企業社員(大卒)の場合、以下のような統計が示されています。

 

●定年退職時の平均退職金:2,686万円

●自己都合退職時の平均退職金:2,659万円

 

これらの数字と比較すると、2,300万円の退職金は平均よりもやや少ない金額であると言えます。ただし、退職金の分布を見ると、中央値は1,494万円で、上位25%が2,231万円、上位10%が2,897万円となっています。従って、2,300万円の退職金は、全体の分布では上位25%以内に入る金額であり、決して少ない額ではありません。

 

伊藤さん、定年後は再雇用制度を利用して、そのまま働く予定。ただ収入はそれまでの月収の4割ほど少なることがネックだとか。

 

――住宅ローンの返済があと4年ほど残っています。子どもも独立したので、給与が4割ほど減ったとしても問題ないのですが、これまで右肩上がりだった給与が下がるというのは……やはり不安ですよね

 

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒50代サラリーマン(正社員)の平均月収は53.2万円。60代前半は44.9万円と16%減。ただしこれは正社員の場合で、60歳定年を機に再雇用となると、多くが契約社員や嘱託社員など非正規社員となるのが定番。その平均月収は31.9万円で、正社員時代から41%減……大きな下落です。

 

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