人生の最期を考えたとき、「できれば自宅で」と考える人が圧倒的に多いのではないでしょうか。家族もその想いに応えようとしますが、どんなに頑張っても叶えられないときもあります。後悔にさいなまれる家族の行く末は――。
老人ホームなんかに入りたくない!年金15万円〈82歳の母〉最後の抵抗。罵声のなか母を置いていった〈56歳の娘〉、1週間後にかかってきた「一本の電話」に号泣 (※写真はイメージです/PIXTA)

最期は自宅でといっていた母。老人ホームに入居した理由

――先日、母が老人ホームに入りました

 

佐藤幸子さん(仮名・56歳)。母・京子さん(仮名・82歳)は、3年前に認知症と診断を受けました。この半年ほどで症状が進行し、最近は周囲に攻撃的になり、暴言・暴力が増えていったといいます。まわりからは、施設への入居を進められたといいますが、なかなか踏ん切りがつかなかったとか。

 

――母と終活について話をしたことがあるのですが、「自宅で最期を迎えられたら幸せだね」と話していて。何とか自宅で過ごせないものか考えたんですけど

 

厚生労働省『人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査』によると、「人生の最終段階における医療・ケアに関する話し合い」について、「話し合っている*」は29.9%。7割の人は、自分や家族の最期のときについて話をしたことがないといいます。

 

*「詳しく話し合っている」「一応話し合っている」の合計

 

「最期を迎えたい場所」について尋ねると、「自宅」が最多で43.8%、「医療機関」が41.6%。「介護施設」は10.0%でした。

 

「自宅」と回答した人にその理由を尋ねると、最も多かったの「住み慣れた場所で最期を迎えたいから」で68.9%。「最期まで自分らしく好きなように過ごしたいから」61.5%、「家族等との時間を多くしたいから」56.0%、「家族等に看取られて最期を迎えたいから」41.1%と続きます。

 

また「医療機関」という回答を違う見方をすれば、「病気になれば病院に行き、そこで最期を迎えるのはいいが、それまでは自宅にいたい」ということの裏返しともとれます。人生の終末期、「できることなら自宅がいい」というのが、多くの人の願いだといえるでしょう。さらに、そのようなことをポロリと口にしていたのを聞いた幸子さん。余計に母を施設に入れることには抵抗を感じていたのでしょう。

 

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