(※写真はイメージです/PIXTA)

投資物件の安全性を示す重要な指標で、不動産投資をする際には必ず理解しておきたいのが「返済比率」です。本コラムでは、返済比率の定義から計算方法、理想的な水準、そして返済比率を改善するための具体的な方法まで詳しく解説します。不動産投資のリスクを最小限に抑え、安定した収益を得るための知識を身につけましょう。

返済比率を低くする方法

(画像:PIXTA)
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それでは返済比率を低くするためにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、返済比率を低くする方法として、以下5つの方法を解説します。

 

・自己資金を多く入れて返済金額を減らす

・利回りの高い物件に投資することで家賃収入を上げる

・比較的低金利な金融機関を選択する

・返済期間を長くして月々の返済金額を減らす

・繰上返済を行うことで返済金額を減らす

 

自己資金を多く入れて返済金額を減らす

自己資金を増やすことで、借入金額を減少させることができ、結果として毎月の返済額や総返済額も軽減されます。一般的には物件価格の1割から2割程度の自己資金が求められますが、さらに多くの資金を投入することで、返済比率を下げることが可能です。

 

ただし、自己資金を投入することによって手元資産が無くなってしまうと、日常の突発的な出費に耐えられなくなります。手元資産と返済比率のバランスを見て、自己資金を投入することが重要です。また、自己資金を多く使うことでレバレッジ効果が小さくなり、投資効率が低下する可能性もあるため、慎重に判断することが求められます。

 

利回りの高い物件に投資することで家賃収入を上げる

物件価格に対して得られる家賃収入の割合が高いため、投資効率が良く、より多くのキャッシュフローを生み出す可能性があります。増加した家賃収入を返済に充てることで、ローン返済の負担が軽減され、返済比率を下げることができます。

 

しかし、高利回り物件には以下のような特徴を持っている可能性があります。

 

・地方や郊外に位置し、都心部からのアクセスが悪い

・築年数が古く、設備が古いまたは劣化している

・周辺の人口が減少している、または将来的に減少が予想される地域にある

 

上記のような場合は、満室稼働すれば高い利回りが期待できるとしても、賃貸需要が弱く想定していた家賃収入が見込めなかったり、修繕コストが膨らんで実際には高利回りとならなかったりするケースも多く見られます。そのため、現地視察で周辺環境や交通アクセス、建物管理状況などを確認したり、不動産情報サイトなどでエリアや築年数の近い物件を検索したりするなど賃料相場を調べ、現在の賃料設定で需要がどの程度見込めるかを確認するなど、慎重な調査が不可欠です。

 

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