(※写真はイメージです/PIXTA)

投資物件の安全性を示す重要な指標で、不動産投資をする際には必ず理解しておきたいのが「返済比率」です。本コラムでは、返済比率の定義から計算方法、理想的な水準、そして返済比率を改善するための具体的な方法まで詳しく解説します。不動産投資のリスクを最小限に抑え、安定した収益を得るための知識を身につけましょう。

【返済比率別】利益シミュレーション

(画像:PIXTA)
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不動産投資における返済比率の目安は50%と解説しましたが、返済比率が異なるとどれだけキャッシュフローに違いが出るのでしょうか。ここでは、以下の前提条件をもとに、具体的な数値を用いて、異なる返済比率がキャッシュフローにどのような影響を与えるかをシミュレーションしてみます。

 

前提条件

物件価格:3,000万円

満室時年間家賃収入額:120万円(1ヵ月あたり10万円の賃料)

空室率:10%

経費率:15%

表面利回り:4%

 

返済比率

・返済比率50%の場合

・返済比率30%の場合

・返済比率70%の場合

 

具体的には以下のケースでシミュレーションを行います。

・返済比率50%の場合

・返済比率30%の場合

・返済比率70%の場合

 

返済比率50%の場合

 

返済比率50%の場合、年間の手残りは30万円です。この場合、空室や経費の増加が発生しても、ある程度キャッシュフローを維持できる状況です。

 

返済比率30%の場合

 

返済比率が30%の場合、年間の手残りは54万円です。これは、50%の場合よりも24万円多く、予期せぬ修繕費や空室が発生しても、さらに安心してキャッシュフローを維持できる状況です。

 

返済比率70%の場合

 

返済比率70%の場合、年間の手残りは6万円です。これは、返済比率50%と比較して24万円、30%と比較して48万円少なくなります。この状況では、空室や大規模な修繕が発生した場合に、キャッシュフローが赤字になるリスクが非常に高まります。

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