戸建てにしろ、マンションにしろ、日本人は住まいに対して一種の「新築神話」をもっています。その魅力はなんといっても「すべてが新しいこと」。そしてその魅力は、同じ住まいである「老人ホーム」でも同じです。ただ新築だけにこだわると、痛い目にあうこともあるようです。
年金月22万円・84歳父が「新規オープンの老人ホーム」に入居も、3ヵ月後に起きた想定外に「助けてくれ!」と悲鳴 (※写真はイメージです/PIXTA)

自宅での生活がしんどい。老人ホームもありか…

――急な階段がしんどいなあ

――段差が多くて危険

――広い庭を手入れするのもひと苦労

 

自宅での生活に限界を感じたら、「老人ホームへの入居」もひとつの選択肢です。

 

ひと口に老人ホームといっても種類はさまざま。主なものは民間の施設の4種類、公的な施設の4種類。民間と公的な施設、何が違うのかといえば、まずは費用。公的な施設のほうが安く、どちらかといえば「支援」の意味が強いため入居には厳しい審査があります。最近は一時期よりも入りやすくなったという特養ですが、入所まで半年は当たり前で、数年待ちというケースも。入所待ちの間に亡くなるケースも珍しくありませんでした。民間施設は費用が高い分、サービスは充実しています。

 

【民間の老人ホーム】

・介護付き有料老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・サービス付き高齢者向け住宅

・グループホーム

【公的な老人ホーム】

・特別養護老人ホーム(特養)

・介護老人保健施設(老健)

・ケアハウス

・介護医院

 

入居条件は施設によってさまざま。まず介護度。「要介護X以上でないと入れない」などあるので、しっかりと確認しておく必要があります。同様に「要介護X以下になった場合は退去」と、退去条件を設けていることも多いので、そのあたりもチェックしておきたいところ。

 

また介護、医療体制もしっかりみておきたいポイントです。スタッフの人員配置は、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなどで「利用者3人に対して介護・看護職員1人」という基準があります。たとえば同じ有料老人ホームでも、住宅型の場合はこの基準を満たす必要はありません。またこの基準は、常時これだけのスタッフがいなければならないというわけではなく、常勤換算。介護・医療体制にこだわりがあるなら、数値だけで判断しないよう気を付けたいものです。

 

ほかにチェックしたいのは、スタッフやホームの雰囲気、食事、立地など。できることなら、こだわりのポイントを予め明らかにして、きちんと見学(できれば試食付き)をして検討するのがセオリーです。