サラリーマンにとって、何歳まで働くか、何歳で仕事を辞めるかの決断は大きいもの。多くの人は「年金をもらえるようになって、お金の心配がなくなったら」と答えるでしょうか。しかしお金の心配がなくなったからといって、仕事を辞めるのが正解とはいえないこともあるようです。
〈退職金2,000万円〉〈年金月22万円〉65歳で仕事を辞めた元サラリーマン、楽しかったのはわずか2週間「毎日テレビばかり観ています」の苦痛 (※写真はイメージです/PIXTA)

65歳で仕事を辞めて気付いたこと

川島さんの場合も「仕事を辞め、楽しかったのは2週間ほどだけ」といい、今はすっかり家に引きこもっているといいます。

 

――仕事を辞めたあとは昼からお酒を飲んだり、ボーとテレビを見たり。現役時代にはできなかった堕落した生活を送っていました。それがまずは楽しかったのですが、段々と「何もすることがないと、テレビばかり観ている」というのが苦痛になって、何をしようかと考えるのが本当につらくなりました

――仕事を辞めてからは誰からも連絡がありません。仕事上の付き合いばっかりだったんですよね。そりゃ、仕事を辞めたら話すこともないですもんね

 

話すことといえば、食事を買いにいくとき、会計時に「袋はいりますか?」「いりません」とか、「お支払いは……」「現金で」などというやり取りだけ。ひと言も発せず、1日が終わることも珍しくないといいます。

 

――あんなに仕事を辞めたいと思っていたのに、結局、仕事しかないなんて、皮肉ですね

 

川島さん、人とのつながりをもちたいと、仕事復帰を考えているといいます。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年就労条件総合調査』

内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』