なぜカスハラ加害者は「カスハラ」をしてしまったのか?
2025年4月、東京都で顧客による著しい迷惑行為の防止を目的とした「カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されるなど、社会問題となっているカスハラ。株式会社ネオマーケティングが実施した『カスハラに関する調査』によると、「直近3年以内に、カスハラを受けているのを目撃した経験はあるか?」の問いに対して、「ある*」が46.3%。また「直近3年以内に、カスハラを受けた経験はあるか?」の問いに対しては、「ある*」が32.0%でした。
*「よくある」「たまにある」「一度だけある」の合計
性別・年代別でみていくと、経験率では「60代男性」が最も多く42.0%。「よくある」の割合でみてみると「30代女性」が11.0%と最多でした。
具体的にどのようなカスハラだったかというと、目撃も経験もトップは「威圧的な言動」で目撃は63.7%、経験は60.6%。続いて多いのが「執拗なクレームや電話」で目撃は50.3%、経験は45.3%。
一方で「これまでにカスハラを行ったことがあるか」の問いに対しては、「ある」が3.6%。性別・年代別でみていくと、最も多いのが「30代女性」で7.0%。「30代男性」「60代女性」がともに6.0%と続きます。もちろんこれは、「あれはカスハラだった」と認識している数値。カスハラの厄介なのは、加害者がカスハラの自覚がないことが多いこと。そのようなものも含めると、もっと数値は高くなるでしょう。
ではなぜ、カスハラをしてしまったのか。自覚している人に理由を尋ねると、最も多かったのが「スタッフが自分の要求を理解していないと感じたから」で50.0%。「サービスや商品に欠陥があったから」47.2%、「スタッフの対応が不誠実だと感じたから」44.4%と続きます。もちろん「イライラしていた」などの自分本位の理由も散見されるものの、加害者には加害者なりの理由があることを垣間見ることができます。