実質給与減…教育費負担に苦しむサラリーマンたち
人生でお金がかかるものといえば、「家」、「保険」、「子どもの教育費」。子どもの教育費に関しては、大切な我が子のためと一番ひもが緩むことかもしれませんが、最近はそうもいっていられません。
総務省『2020年基準消費者物価指数』をみていくと、2022年2月、2020年平均を100とした際に100.7だったのが、最新の2024年9月では108.1。2年余りで8%近く上昇しました。2年前に100円で買えたものが、平均して108円を出さないと買えないということ。給与が2年で8%を超えて上昇していれば問題ありませんが、実際は給与上昇が物価上昇に追いつかず、実質給与減の状態が続いています。
実質賃金が2ヵ月ほど、プラスに転じたと報道されましたが、それは一瞬の出来事。相変わらず、給与減の状態は続き、それがいつまでかは、いまだに見通しがたっていません。そのようななか、子どものためだからといって、湯水のようにお金を使うわけにはいかないのです。
千葉県在住の石川大輔さん(仮名・52歳)。妻・結子さん(48歳)と、高校2年生の長男、中学2年生の次男の4人暮らし。10年前に買ったマイホームの住宅ローン返済が家計を圧迫。結子さんも週5のパートで家計をバックアップしています。
――来年は長男も次男も受験ですから……ほんとうに気が重いです
気が重いのはやはりお金のこと。大学進学となると、一気に教育費が膨れ上がります。
――私が大学生だったころ、国立大学の授業料は40万円ほどだったかな。今の給与水準はそのころと変わらないというじゃないですか。だから大学の授業料ってそれくらいなのかなと思っていたんですが、10万円以上、高くなっているんですね、ビックリしました
文部科学省令による国立大学の標準額によると、1年間の授業料は53万5,800円。平成の初期、1992年(平成4年)の国立大学の授業料は37万5,600円。翌1993年は41万1,600円でした。確かに、石川さんが大学生だったころに比べて、国立大学の授業料は10万円強、値上がりしています。