DHA・EPAの摂取が大切な理由とは
1)食事から摂取が必要な「必須脂肪酸」
脂質はタンパク質、炭水化物とともに、体にとって大切な「三大栄養素」です。脂質のなかでもよい脂質であるDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸は、体の中で作ることができません。そのため、食事から摂る必要があるのです。
2)脳や神経細胞などの重要な構成成分
脂質は体のエネルギー源であるだけでなく、体内の細胞膜やホルモンをつくるための材料であり、また脳の構成成分でもある非常に重要な栄養素です。DHAやEPAを摂取すると頭がよくなるといわれるのは、脳の成長・発達においてDHAやEPAが必要不可欠であるからでしょう。
3)血液をサラサラにする
また、DHA・EPAには血液をサラサラにする効果や、炎症を抑える効果があるともいわれています。
このように嬉しい健康効果が期待できるDHA・EPAですが、サプリメントなどでDHAやEPAを単独で摂取することは難しく、仮に単独で摂取できたとしても、それで劇的に頭がよくなるなどの効果が得られるかは疑問です。
やはり、食事としてDHA・EPAを豊富に含む魚を食べることで、タンパク質やビタミン、ミネラルなどと一緒にバランスよく摂取するのが理想的だと考えられます。よい脂質の体内での役割を考えれば、魚は成長期のお子さんや脂質異常などが気になる方に限らず、万人に食べていただきたい食材だといえるでしょう。
DHA・EPAを上手に摂取するには
1)青魚や甲殻類を選ぶ
DHA・EPAは、マグロやサバ、イワシ、ニシンなどの青魚や、鮭、またエビやカニなどの甲殻類にも多く含まれています。
2)揚げ調理は避ける
DHA・EPAをはじめとするオメガ3脂肪酸は熱に弱いため、刺身など生で食べるのが一番効率のよい摂り方です。とはいえ、生食にこだわりすぎて魚を食べることに飽きてしまったり、続かなかったりしたのでは本末転倒なので、煮る、蒸す、焼くなど自分の好きな調理法を取り入れて、毎日魚を食べることを継続してほしいと思います。
揚げ物など高温になる調理法では、損なわれるオメガ3脂肪酸の量が多くなってしまいますので、加熱時間をできるだけ短くする工夫をしてみてください。また、古くなって酸化した油(揚げ物で使用した油や、使い回しした油など)は体によくないので気をつけてください。
3)いろんな魚をバランスよく
DHAやEPAの一日の摂取量については、厚生労働省が性別や年齢ごとに何グラムという基準値をあげていますが、そのグラム数を毎日意識して食事をするのはなかなか難しいかと思います。あまり神経質にはならずに、一日一回、いろいろな種類の魚をバランスよく取り入れるとよいでしょう。
魚を食べるときの注意点
魚の摂取については、魚に含まれる水銀を気にする方もいらっしゃるかもしれません。確かに、魚の中でも食物連鎖の上位にいる大きな魚には微量の水銀が含まれています。
しかし、その量は非常にわずかであるため、普段の生活でいろいろな魚をバランスよく食べる分には問題はありません。ただし妊婦さんの場合は、魚の水銀がお腹の赤ちゃんに与える影響が100%ないとは言い切れないので、厚生労働省のサイトなどを参考にしながら、上手に魚を取り入れてください。
薬剤としてのDHA・EPAについては、出血の増加防止として手術前などに投与を中止するケースがありますが、食事で魚から摂るDHA・EPAに関しては血液がサラサラになりすぎて問題になるということはありませんので、安心してください。
「1日1回魚を食べる」を毎日続けよう!
脂質は人間が体を維持していくためにとても大事な栄養素です。そしてその脂質の中でもとくに健康によいとされているのが、魚に含まれているオメガ3脂肪酸のDHAやEPAです。ぜひ、焼き魚でも煮魚でもお好きな料理法で、1日1回食事に魚を取り入れることを毎日続けてみてください。
ご家庭で焼き魚が美味しく焼けて健康に
健康のために魚を美味しく食べたいと考えている方におすすめなのが、「蒸す」と「焼く」をハイブリッドさせた新感覚ロースター、「スチームクッカー」です。「焼く」に「蒸す」をプラスすることで、皮はパリッと中はふっくらの焼き魚がご家庭でお楽しみいただけます。調理時間も短縮でき、お手入れも簡単。
スチームクッカーで焼き上げた美味しい魚で、健康生活をはじめませんか?
やす先生
横浜LA内科・内視鏡クリニック院長
※本記事は、健康、食、暮らしをテーマに、専門家による「すぐに役立つ」情報を届けるサイト『AUX Magazine』からの転載記事です。全文はコチラから。