3.うれしくなかった株主優待は「特になし」が55.0%
本調査では、受け取ってもうれしいと感じなかった株主優待の内容についても質問を行いました。
最も目立つのは「特になし」が55.0%と、他の選択肢と比較して圧倒的に高い割合となったことです。株主優待がほしいと感じない銘柄には、投資をしない人が多いことが推測されます。
「特になし」以外では、最も高い割合となったのが「株主限定のイベント・施設利用権」で14.7%、これに「割引券・優待券」が11.9%で続いています。いずれも使い道が限定されやすい側面があるため、うれしいと感じなかったケースが多いのかもしれません。
なお、「割引券・優待券」は、これまでの「現在受け取っている/今後受け取りたい株主優待」の結果で上位に入っています。「割引券・優待券」はほしいと思う人が多い一方で、何に使えるかによって満足度が低いこともあるようです。
【参考情報】うれしくなかった理由で多いのは?
受け取ってもうれしいと感じなかった株主優待があった人に、自由記述でその理由を質問しました。結果を整理すると、以下のようになります。(有効回答:76人)
- 利用する機会・場面がない(27人)
- 自分には必要ないものだった(22人)
- 利用できる店舗・施設が近くにない(15人)
- 優待内容の質が低い(9人)
- その他(3人)
それぞれについて、コメントをいくつかピックアップして紹介します。
▼利用する機会・場面がない
- 投資した会社の商品などの割引券でしたが、なかなか使うことができず、期限が過ぎてしまったのでとても無駄にした気持ちになった。
- 旅行券がついていたけれど、使う時がなかった。お盆やお正月は使えないから。
- ホテルの割引券ですが、そのホテルを使用する機会がないので。
▼自分には必要ないものだった
- 携帯会社の優待。登録時の割引は他の会社に加入中のため、何の役にも立たなかった。
- あまり普段から使用しないようなものだったから。
- あまり好みの品がなかった。
▼利用できる店舗・施設が近くにない
- 近くにお店がなくて使えないから。
- イベント参加券のようなものは地方在住では使いにくかったから。
▼優待内容の質が低い
- 旅行サイトより高い値段からの割引しかない宿泊割引券。一度も使った事がないので、全く要らない優待だった。
- 思っていた以上にチープだった。
自分の生活スタイルや嗜好に合わない優待内容であったり、利用する機会や場面が限られていたりすると、優待の価値を感じにくいようです。また、優待を利用するために遠方まで出向く必要がある場合も、メリットを感じにくいことがうかがえます。
株主優待を設定する企業としては、株主の属性や利用シーンをよく考慮し、魅力的な優待内容を提供することが求められます。一方で株主も、優待内容が自分にとって価値があるか見極めた上で、総合的な観点から投資判断することが大切となるでしょう。
4.株主優待を出してほしい企業がある投資家が63.3%
次のグラフは、株主優待を出してほしい企業があるか質問した結果です。
「はい」が63.3%、「いいえ」が36.7%で、およそ3人に2人が株主優待を導入してほしい企業があるようです。
「はい」と回答した人には、具体的な企業名とほしいものも質問しています。その結果を集計して、上位5つをピックアップしたのが以下の表です。(有効回答:87人)
1位は「任天堂(7974)」で、ゲームソフトや限定グッズがほしいというコメントがありました。ゲームを通じてファンになった株主からは、株主優待を望む声が多いようです。2位以下も、個人投資家にとって馴染みのある大企業が並んでいます。
株主優待が終了してしまったことを惜しむ声もありました。2位の「日本たばこ産業(JT)(2914)」は、2023年発送分を最後に株主優待制度を廃止しています。5位の「スターバックスコーヒージャパン」は2015年に上場廃止をしており、現在は株式を手に入れられません。
2024年上旬に実施した本調査ですが、