年金だけで生活しても、お釣りが毎月5万円!最強の元教員夫婦
日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第99回<2024年9月調査>)』によると、景況感について、現在と1年前を比べると「良くなった」が6.9ポイント、「悪くなった」は55.1ポイント。3ヵ月ごとに行っている本調査ですが、前回より「良くなった」は1ポイントほどダウン。「悪くなった」は2ポイントほど改善しました。
また暮らし向きについて、現在と1年前と比べると「ゆとりが出てきた」は5.3ポイントで、1.5ポイントほど改善。また「ゆとりがなくなってきた」は52.7ポイントで、3.0ポイント改善しました。
景況感、暮らし向き、どちらも過去1年分のD.Iをみていくと、景況感は「▲49.6」→「▲36.1」→「▲49.8」→「▲48.2」、暮らし向きは「▲52.1」→「▲44.2」→「▲52.1」→「▲47.4」と推移。この1年、一進一退でよくなったわけでも悪くなったわけでもない、という状況が続いています。
いずれにせよ、終わらない物価高を前に、多くの人が苦しい生活に直面しています。なかでも、収入を得る手段が限られている高齢者は、苦境に立たされているケースが多いようです。
このような情勢のなか、改めて注目されているのが公務員の安定性。しかも夫婦共働きなら、安泰の老後を手に入れたようなものでしょうか。
夫婦とも定年退職し、年金生活を送っている60代夫婦の伊藤浩一さん・京子さん。ふたりとも教員だったという、まさに最強夫婦です。
総務省『令和5年4月1日地方公務員給与実態調査』によると、地方公務員の一般職員の定年退職金(25年以上勤務に限る)は平均2,105.1万円。また同じように教員の場合は平均2,263.3万円です。伊藤さん夫婦、どちらも平均的な退職金を手にしたと仮定すれば、ふたり4,500万円もの退職金を手にしていると考えられます。
さらに年金はどうでしょう。日本の老齢年金は2階建て+αとされていますが、教員の場合、1階部分の老齢基礎年金と、2階部分の老齢厚生年金は共通。3階部分は、退職共済年金(経過的職域加算額)と、退職年金(年金払い退職給付)となります。
厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金受給者の平均受給額は併給の老齢基礎年金と合わせて14万4,982円。さらに65歳以上男性に限ると16万7,388円で、65歳以上女性に限ると10万9,165円。女性の場合、キャリアの中断が多いので、男性よりも受給額が低くなっています。
伊藤さん夫婦の場合、浩一さん月19万円、京子さん月17万円、夫婦合計36万円。手取りは30万円ほどだとか。対し、65歳以上夫婦の1ヵ月の消費支出は平均25万円ほど。年金だけでもお釣りが5万円もあります。