現役世代。一家を支える大黒柱が亡くなったとき、遺族が受け取れる遺族年金は、生活のベースとなる部分です。年金は要件を満たしている限り受け取れるものですが、人生の節目は要注意。想像していなかった「年金減額」という事態に、真っ青になってしまうことも。
同い年の月収65万円夫逝去→遺族年金「年160万円」も10年後には「ゼロ円」に妻、絶句。老後のプランニングが総崩れに「何かの間違いでは?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

同い年の子のない夫婦…夫急逝で、遺族年金は月13万円

一家の大黒柱が亡くなった際、残された遺族の公的な保障として払われる遺族年金。大きく、国民年金に由来する遺族基礎年金と、厚生年金に由来する遺族厚生年金があります。

 

遺族基礎年金が受け取れるのは、「子のある配偶者」か「子」と、子に関わる要件があるので、たとえば子のいない夫婦の場合は、夫が亡くなったとしても遺族基礎年金は受け取ることができません。

 

一方、遺族厚生年金には子の要件はないので、同じように、子のいない夫婦であっても夫が亡くなった場合、残された妻は遺族厚生年金を受け取ることができます。

 

内山朋美さん(仮名・55歳)。同い年の夫が亡くなり、遺族年金を受け取るようになったひとり。夫は大学新卒時、同期のひとり。結婚を機に、夫は転職しましたが、内山さんは結婚後も同じ会社で働いています。お互い、キャリアを積み、仕事を優先する毎日。定年を迎えて仕事を辞めたら、夫婦で、たとえば世界一周でも……そんな夢を語っていましたが、突然の病気で夫は帰らぬ人になってしまいました。

 

――私も働いているので、夫が亡くなっても、経済的に困るようなことはありません。二人暮らしのマンションでは広いので、1人用のマンションへの引っ越しを考えていることくらいでしょうか……

 

子どもがいないため、遺族基礎年金はなし。遺族厚生年の受給額は死亡した夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。内山さんの夫の給与は、亡くなる直前で月収57万円、年収で980万円。遺族厚生年金は簡易的な計算ですが、年97万8,000円ほどになります。

 

また夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満の子のない妻であれば、中高齢寡婦加算が年61万2,000円。合わせると、年159万円、月13万2,000円ほどを受け取れます。

 

――月13万円ですから、大きいですよ。ありがたい