東京に限らず、大阪でも都心の新築マンションの平均価格は、驚異の億超え。そんな高い買い物を誰がしているのか……と思えば、たとえばDINKsと呼ばれる子どものいない夫婦。普通の会社員でありながら、夫婦力を合わせてタワマンを購入しているわけです。しかし、昨今、余裕に見えていたタワマン生活に暗雲が立ち込めているといいます。
2人で「年収1,500万円」の子のない夫婦…「1億2,000万円のタワマン」を余裕で購入のつもりが一転、「ローン破産の危機」に右往左往するワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

月4万円、年間50万円の返済負担増はいかほどか?

昨今、中本さんのようにローン破綻を警戒するタワマン購入者が増えています。

 

マンション購入を検討する際、指標となるのは大きく2つ。まずは年収倍率。これは年収に対して物件価格が何倍か、というもので以前は5~7倍が適正とされてきました。日本人男性の年収は567万円といわれているので、男性だけの資力でマンションを買おうとするなら、2,800万~4,000万円程度の物件が適当ということになります。

 

もうひとつの指標が返済負担率。これは年収に対するローン返済額の割合で、通常は20~25%程度とされています。平均的な日本人男性であれば、月9.45万~11.8万円程度のローン返済が適当だということになります。

 

中本さん夫婦の場合、夫婦どちらかの収入では年収倍率も返済負担率も適正を大きくオーバー。しかし夫婦2馬力で考えると、年収倍率は8倍ほど。物件価格が高騰している東京では、年収倍率10倍程度でもローン審査をクリアできるといわれているなか、適正値といったところ。返済負担率は28%程度と少々基準をオーバーしているものの、夫婦二人だからか、そのあたりは余裕なようです。

 

しかし金利1%増、ローン返済月4万円、年間50万円の負担増となると、返済倍率は30%を超え生活を圧迫。ローン破産の現実味を帯びてきます。

 

――どうするか、とりあえず様子見。仮に手放すことになっても、タワマンなら高く売れると思いますし。焦って、後悔する判断だけはしないよう気をつけようと思います

 

[関連資料]

株式会社マーキュリー『月例新築マンション動向2024年10月号(2024年7月度分譲実績)』

アットホーム株式会社『不動産のプロに聞いた!「資産性の高いマンションか見極めるポイント」ランキング』