大きな企業になればなるほど「転勤」は当たり前。昨今はライフ・ワーク・バランスの観点からも転勤制度を見直す企業も。それでも転勤が昇進・昇給において必須条件だとすると「わかりました!」と承諾してしまうものです。問題は家族。「ついてきてほしい」という本人の希望は、叶えられないことも多いようです。
「転勤が決まったよ」「いってらっしゃい」「えっ!?」…月収45万円・42歳サラリーマン、〈3歳年下妻との結婚〉をいまさら後悔し大荒れ (※写真はイメージです/PIXTA)

ネガティブに考えがちな「転勤」…昇進・昇給を約束でOKは4割

昨今、転勤に対してはネガティブに考える人が増えているという声も。エン・ジャパン株式会社による『転勤についてアンケート調査』によると、転勤の辞令が出たら退職の原因になると4割が回答。ややなるも合わせると7割近くにものぼります。

 

Q.もしあなたに転勤の辞令が出た場合、退職を考えるキッカケになりますか?

A.退職のきっかけになる

20代…43.0%、30代…48.0%、40代以上…43.0%

 

また実際に3割が「転勤を理由に退職をしたことがある」と回答しています。

 

そんな転勤に対して「承諾する」はわずか8%。「条件付きで承諾する」は42.0%で、何かしらのプラスのメリットがないと転勤は受け入れ得ることができないようです。そのメリットとして最多だったのは、「家賃補助が出る」で72.0%。「リモートワーク可能」が51.0%と続き、「昇進・昇給が伴う」は45.0%でした。

 

また株式会社ネクストレベルが行ったアンケート調査によると、「転勤が決まったのがきっかけで別れた」「遠距離恋愛をしたけれど最終的に別れた」は全体の6割を占めたそうです。交際中か、結婚して家族かの違いはありますが、パートナーの転勤、素直に喜べるという人は少ないのかもしれません。まして佐藤さんには、学校に通う子どもがいて、「友達と離ればなれにさせたくない」と考えるのも親心。佐藤さんの奥さんの反応も、ごく自然なものといえるでしょう。

 

友人に相談したときとき、酔っ払いながら「転勤についてきてくれない嫁なんて、離婚だ!」と荒れたという佐藤さん。対し友人は「子どもファーストが当たり前じゃん。いい大人が自分ファーストじゃなきゃ嫌だなんて、子どもだと思うよ」と冷静に返したとか。

 

結局、単身赴任で頑張ることに決めた佐藤さん。駄々をこねていた転勤前とは打って変わり、福岡生活を存分に楽しんでいるといいます。

 

[参考資料]

人事院『2022年度分民間給与実態統計調査』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

エン・ジャパン株式会社『転勤についてアンケート調査』

株式会社ネクストレベル『アンケート調査』