物価高でため息が多くなっているなか起きた「令和の米騒動」。落ち着きを取り戻しつつも、価格は高止まり。特に収入に限りのある年金生活者には死活問題です。そんななか「ちょっと救いなった」という、年金機構からの便りがあります。
もう、生きていくのもシンドイわ…年金月7万円・72歳高齢女性「米5kgで3,200円」を前に絶望も、年金機構からの「緑色の封筒」に涙したワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

令和の米騒動沈静化も、あちらこちらから聞こえる「米、たかっ!」の声

――えっ、こんなに高いの?

 

令和の米騒動も新米の流通が本格化してきたことで終わりが見えてきたといいますが、積まれた米袋を前に呆然と立ち尽くす人の姿がチラホラ。そして決まって口にするのが米の値段。店によって違いますが、「以前の1.5倍から2倍くらいになっている!」と、驚きの声が聞かれます。

 

出所:総務省『小売物価統計調査統計調査』 ※国内産/精米/単一原料米(産地・品種及び産年が同一のもの)/袋入り(5kg入り)/コシヒカリを除く
【図表】米5キロ全国平均価格の推移 出所:総務省『小売物価統計調査統計調査』
※国内産/精米/単一原料米(産地・品種及び産年が同一のもの)/袋入り(5kg入り)/コシヒカリを除く

 

によると、米(コシヒカリを除く)5kgの全国平均価格は2,411円。1年前から2割ほど値上がりしています。巷でいわれているように、1.5倍から2倍とはいかなくても、消費者の感覚的には「とにかく値上げがヒドイ」といったところでしょうか。

 

 

 

――お米5キロで3,200円……この値段では買えないから我慢します

 

お米の袋を前に手ぶらで立ち去ったのは、内藤悦子さん(仮名・72歳)。「もう少したったら、きっと価格も落ち着くから」と自分にいい聞かせつつ、大きなため息。

 

――みて、お財布のなか。3,000円しかなくて

――お米の値段がこのままだと……絶望的。生きていけないわ

 

自虐的に笑う悦子さん。年金が頼りの高齢者にとって、主食である米の値上げの影響は甚大です。

 

総務省『家計調査年報 家計収支編 2023年』によると、65歳以上の単身者の1ヵ月の支出は15万円ほど。住居費を除くと12.5万円ほどになります。

 

【単身高齢者の1ヵ月の支出】

消費支出…14万9,033円(住居費を除く12万6,114円)

(内訳)

・食料…4万0,527円

・住居…1万3,103円

・光熱・水道…1万4,434円

・家具・家事用品…2,272円

・被服及び履物…3,420円

・保健医療…8,178円

・交通・通信…1万6,230円

・教養娯楽…1万5,748円

・その他の消費支出…3万1,174円

 

それに対して、内藤さんの1ヵ月の支出は12万円ほど。年金額は月7万円で、5万円ほどを貯蓄から取り崩す生活を送っています。

 

――ほんと、生きていくのもシンドイわ