配偶者を亡くすという悲劇。悲しみのほか、この先の生活はどうなるのかという不安も加わり、途方に暮れることでしょう。さらに義実家との関係がよくない場合、この関係がこの先も続くと、目の前が真っ暗に。なんとか絶望から逃れる方法は……。
もう耐えられません…月収55万円の〈50歳夫〉3年の闘病の末、永眠。義実家との関係が悪い〈48歳妻〉がとった「驚きの決断」 (※写真はイメージです/PIXTA)

夫が亡くなったあとも、義実家との関係が続く絶望

ところが、夫が亡くなってからも義母の態度は変わりません。夫が亡くなったあと、「あなたが死ねばよかったのよ」といったかと思えば、「孫をよこせ。あんたに任せられない、私が育てる」とまでいってくる始末。さらに義姉からは、「××(夫の名前)が亡くなって、ローンもなくなって、良かったわね」などと、嫌味も。

 

ARINA株式会社が行ったアンケート調査によると、「義親にいわれて1番傷ついたひと言」として最も多かったのは、「息子(嫁)がかわいそう」。「給料が少ない」「常識がない」「結婚相手を間違えた」と続きます。

 

また株式会社しんげんが行った調査によると、「義両親に対して苦手だと感じること」として(「苦手なところがない」38.0%を除き)最も多かったのが「常識やデリカシーがない」で15.0%。「常識やデリカシーがない」「子離れしてない」ともに12.5%と続きます。

 

――夫を亡くしてまで、義母や義姉との関係が続くと思うと絶望でしかなかった

 

と浩子さん。「もうこれ以上、耐えられない」と考え、「姻族関係終了届」を提出。中村家とは縁を切ることにしたといいます。

 

姻族関係の終了に伴い、義親に対する扶養義務はなくなり、また同居をしていれば互助義務も消滅します。また死亡した配偶者の家の祭祀承継者になっている場合は、配偶者の家の人に引き続くことができます。

 

「姻族関係終了届」を提出したことを義母や義姉には電話で知らせたという浩子さん。特に義母の反発はすさまじく「ふざけるな!」と大激怒。しかし、もう正式に赤の他人。「もう、あなたたちとは関係ないので」とひと言だけ言い残して電話を切ったといいます。

 

ちなみに「姻族関係終了届」で姻族関係を終わらせることはできますが、相続には関係ありません。仮に夫婦に子どもがいなかった場合、法定相続人は浩子さんと義母となり、浩子さんは遺産の3分の2、義母には3分の1が認められます。

 

[参考資料]

日本年金機構『遺族年金』

ARINA株式会社『「義親に言われて1番傷ついた一言は?」アンケート調査』

株式会社しんげん『「両親・義両親」に関するアンケート調査』