忙しく、怒涛のように毎日が過ぎていく子育て。50代、60代になると終わりを迎え、穏やかな日々が始まります。長い会社員人生からも引退し、「子育て中はできなかったことをするぞ!」と胸を躍らせている人も多いのでは。しかし、そんな日々が突如、終わりを告げることもあるようです。
次女「日本は窮屈すぎる」と言い残し渡米も、3年後に母となり帰国。「年金夫婦で月33万円」の60代両親、「しばらく住まわせて」の次女家族に快諾も、深く後悔したワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

子育てで後悔していることはなんですか?

「完璧な子育てはない」というように、子育てに「後悔」はつきもの。少々古い調査になりますが、株式会社クリエイティブエデュケーションが40代以上の既婚男女に「子育て中で後悔したいことがあるか」と尋ねたところ、70.5%が「ある」と回答。具体的な後悔として最多は「コミュニケーション」で33.0%。「勉強」24.7%、「過保護すぎた」20.2%、「周囲環境」8.2%、「食事」5.9%と続きます。

 

また「やり直したいこと」としては、「さまざまなことに挑戦させる」43.3%、「家族の時間を多くとる」20.8%、「熱中できる習い事を一緒に探す」9.4%、「塾に通わせる」7.2%、「外で遊ばせる」6.3%と続きました。

 

ただ「色々なことに挑戦させすぎちゃったかしら……」と後悔を口にするのは、斉藤浩一さん・順子さん(ともに仮名)夫婦。後悔の対象は次女。長女に対しては「幼少期に厳しすぎた」という反省もあり、次女に対しては初めから自主性を重んじるという子育て方針。言い換えれば、放任主義。やりたいということは、何でも「まずはやってみれば」といってきたといいます。あまりに自由に育ったからか、次女は「少々感覚がズレているところがある」のだとか。

 

――人様に迷惑をかけることはなかったので……まあ、よかったのかもしれませんが

 

そんな次女は、30歳を前にして突然「日本は窮屈すぎるわ」といって、突然、渡米。「アメリカは自由よ。もう日本には帰らないわ」といったかと思えば、現地のアメリカ人と結婚、その後、出産。母親となりました。

 

当初、「英語もろくに話せないのに、どうするつもりかしら、あの子?」と思っていたという斉藤夫婦。しかし、突然、国際結婚し、出産。3年足らずの怒涛の展開にさぞ驚いているかといえば、すでに慣れたもので通常運転。

 

――もう少し計画性を身につけさせたかった。そうすれば、もう少し生きやすくなると思うんです

 

そう後悔しながらも、やはり放任主義。次女は次女らしく生きていくでしょと、特段心配はしていないようでした。