2. FXは「興味がある人の口座開設率の低さ」「口座開設者の取引率の低さ」「取引中止率の高さ」が課題
FXへの取り組み状況について、以下の4つの観点から他の投資(株式/投資信託/暗号資産/AI投資)と比較分析を行いました。
- 各投資に興味を持つ人の割合
- 興味を持った人が、取引口座を開設する割合
- 取引口座を開設した人が、取引を始める割合
- 取引を始めた人が、取引を継続する割合
それぞれのフェーズ毎に結果を見ていきましょう。
各投資に興味を持つ人の割合
次のグラフは、投資の種類別に興味がある人の割合を集計したグラフです。
最も興味を持つ人が多いのは「株式」で56.7%、これに続くのが「投資信託」で52.3%でした。その他は差が開きますが、3位は「FX」で33.1%となっています。
このように、投資の中では株式と投資信託に対する関心度の高さが際立つという結果でした。ただ、FXも決して関心度が低すぎるということはなく、4位の暗号資産と比べても4.8%高い割合となっています。
興味を持った人が、取引口座を開設する割合
続いて、興味を持った人が口座開設している割合を、投資の種類別に集計したグラフです。
最も割合が高いのは「投資信託」の71.2%、これに僅差で「株式」の70.7%が続くという結果です。興味を持っている人の割合と同様に、株式と投資信託の2つが他を引き離して高い割合となりました。
注目したいのは、3位が「暗号資産」の54.7%となっており、「FX」を5.6%も上回っていること。FXの方が歴史が長く取引環境の整備がより進んでいることを踏まえると、改善の余地は大いにあるといえそうです。
取引口座を開設した人が、取引を始める割合
次のグラフは、口座開設者のうち取引をしたことがある人の割合を、投資の種類別に集計したものです。
見ての通り、取引口座を開設した人の割合のグラフに似たバランスとなっています。最も割合が高いのは「投資信託」の87.3%、これに僅差で「株式」の86.0%が続くという結果です。3位は「暗号資産」の75.3%で、「FX」を2.6%上回りました。
投資の種類にかかわらず、基本的に取引を開始する意志を持った人が口座を開設しているはずです。株式や投資信託が近い数字を出していることを踏まえると、FXの低い割合には何かしらの原因があると考えられます。
取引を始めた人が、取引を継続する割合
最後に、取引を始めた人のうち現在も取引を継続している人の割合を、投資の種類別に集計したグラフです。
最も高い割合となったのは「投資信託」で79.4%、これに僅差で「株式」が76.3%で続いています。なお、3位は「暗号資産」の61.9%、4位は「AI投資」の57.3%。「FX」は唯一5割を下回る49.6%で、最下位という結果でした。
暗号資産やAI投資の割合は、比較的新しい投資で取り組み始めてから時間が経っていない人が多いことも影響していると推測されます。弊社が行った「FXをやめる理由に関する調査(以下のリンク)」では、FXの経験が少ない中で、運用資金を大きく失って退場する人が多いことを示唆する結果が出ています。
FXの継続率向上のためには、初心者のスキルアップをサポートするような取り組みが重要と考えられます。