親子のカタチはいろいろ。なかには、何十年も顔を合わせていない……そんなケースも。それでも「血の繋がり」はなかなか切れないようです。
疎遠だった〈80歳父〉年金月10万円生活のなか孤独死…叔父・叔母「墓には入れない」と納骨拒否、〈48歳ひとり娘〉遺骨を抱きしめ呆然 (※写真はイメージです/PIXTA)

離婚後に疎遠になった父親から久々の電話「保証人になってくれないか」

厚生労働省『令和4年 人口動態統計月報年計(概数)の概況』によると婚姻件数は50万4,878組、離婚件数は17万9,096組。夫婦の年齢別にみていくと、最多は「男性35歳〜39歳」、「女性30~34歳」。離婚に至る割合でみていくと、最多は「5〜10年」で19.9%でした。

 

さらに裁判所『令和4年度司法統計』で離婚理由をみていくと、男女ともに「性格が合わない(性格の不一致)」がトップ。女性は「生活費を渡さない」「精神的虐待」と続き、男性は「精神的虐待」「家族と親族との折り合いが悪い」と続きます。

 

破綻していた夫婦関係を清算して、きれいさっぱり……ただ離婚の影響は、ずいぶんと経ってからということも珍しくはありません。

 

そんなことを実感したという加藤美奈子さん(仮名・48歳)。離婚歴があるのは自身ではなく両親で、美奈子さんが小学生の頃に親は別れたといいます。その原因は父親の不倫。その不倫相手との関係は、なんと、長女である美奈子さんが生まれる前、というから衝撃。家庭では良き父親を演じていたというから、何とも……。

 

――鬼の形相の母親と、情けなすぎる父親の顔を、今でも鮮明に覚えています

 

そんな両親の離婚を経験した美奈子さん。理由が理由なだけに、父親への嫌悪感は凄まじく、「一生顔を合わせたくないと思っていた」といいます。

 

ただそういうわけにはいかないのが親子。父親と母親は他人になったとはいえ、父親と美奈子さんの間に親子関係がなくなったわけではありません。そのため、忘れたときに面倒に巻き込まれることもあるといいます。

 

美奈子さんは、両親の離婚あと、父親とは一切連絡も取り合っていなかったといいますが、美奈子さんが40歳になったときに、「家を借りるのに保証人になってくれないか」と電話があったといいます。「どこで連絡先を聞いたのか」と訝しく思い、すぐに電話を切りたかったといいますが、なぜか、話をしてしまったといいます。

 

30年ぶりの親子の会話で、父親は72歳になること、離婚後に不倫相手とはすぐに破局し、以来ずっとひとり身であること、50代のときに大病をし会社を辞めたこと、長く住んでいたアパートが取り壊しになることが決まり、新しいアパートの契約でどうしても保証人が必要なことなどがわかったといいます。

 

――叔父さんと叔母さんに保証人になってもらったら

 

美奈子さんは、そういってみたところ、「絶縁されて」とポツリ。「何をしたんだこの人は……」と思いつつ、家を借りられないのは困るだろうからと、保証人になってあげたといいます。