不動産担保ローンのおまとめローンは、複数の借り入れを1つにまとめることで、返済を簡素化し、金利負担を軽減する手段です。しかし、初めてこの仕組みを利用する方にとっては、具体的なメリットやデメリットなどがわかりにくいと感じるかもしれません。そこで本コラムでは、不動産担保ローンのおまとめローンの基本を解説し、どのような人に向いているのか、借り換え時の注意点についても詳しく紹介します。

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不動産担保ローンのおまとめローンのデメリット

不動産担保ローンのおまとめローンには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。以下の3つのデメリットについて詳しく説明します。

 

  • 原則として追加借入はできない
  • 不動産を失うリスクがある
  • 長期間の借り入れになるため返済総額が増える可能性がある

 

原則として追加借入はできない

不動産担保ローンのおまとめローンを利用した場合は、原則として追加の借入はできません。そのため、予期せぬ投資機会が生じた際に、迅速な資金調達が困難になる可能性があります。

 

例えば、事業拡大のチャンスや有利な不動産投資の機会があっても、追加の資金調達ができないため、その機会を逃してしまう可能性もあります。さらに、新たな資金需要が発生した場合、別のローンを組む必要が生じ、再び複数のローンを抱える状況になることもあります。これによって、おまとめローンの本来の目的である借り入れの一本化というメリットを損なう結果となります。

 

おまとめローンを利用する際は、将来的な資金需要も見据えた上で慎重に判断することが重要です。

 

不動産を失うリスクがある

不動産担保ローンのおまとめローンでは、借り入れの担保として不動産を提供するため、返済が滞った場合には担保物件を失うリスクがあります。このリスクは借り手の生活や将来計画に重大な影響を与える可能性があり、十分な注意が必要です。

 

特に自宅を担保にしている場合、返済不能に陥ると住居を失う可能性があります。投資用不動産を担保にしている場合も、その物件からの収入源を失うことになり、長期的な収入計画や資産形成戦略に大きな打撃を与える可能性があります。

 

このように不動産を失うリスクは、おまとめローンのデメリットの1つであり、おまとめローンを検討する際には十分な注意と慎重な判断が求められます。

 

長期間の借り入れになるため返済総額が増える可能性がある

不動産担保ローンのおまとめローンは、長期での返済計画を立てることができますが、これには返済総額が増加するという大きなデメリットが伴います。例えば、借入額1,000万円、金利3%の場合、10年返済と30年返済では利息総額に約360万円もの大きな差が生じます。この利息総額の増加に伴い返済総額も増加するため、月々の返済額は減少しても長期的には多額の支払いを行うことになる可能性があります。

 

また、数十年にわたる返済となると、退職後の収入が減少した際にも高額の返済が続く可能性があるほか、資金を他の投資や資産形成に充てる機会を失う可能性もあります。長期的な財務計画に大きな影響を与える可能性があるため、おまとめローンを検討する際は十分な注意が必要です。

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