昨今、話題になっている「単発バイトアプリ」。隙間時間を使ってお金を稼ぐことができると人気ですが、利用者の半数が高齢者だというから驚き。隙間時間を使ってお金を稼ぐ高齢者の実態とは?
年金「月18万円」も貯金は「わずか百数十万円」…65歳のおひとり様、サラリーマン引退後に「単発バイトアプリ」で稼ぐ、驚きの給与額 (※写真はイメージです/PIXTA)

単発バイトアプリを駆使したら…いくら稼げる?

――年金を受け取りながらでも働かないと……

 

しかし、山本さん、実は65歳以降も継続して勤務はできたといいますが、退職を選んだといいます。「もう人間関係に疲れて」というのが理由。

 

――はっきりいって若い連中も、いつまでも年寄りがいると気を遣うだろ。ストレスを抱えながら働くのも、本当に疲れた

 

高齢者が継続して働くことの難しさを痛感したという山本さん。せっかくだから自由に働きたいといいます。そこで目をつけたのが、昨今、何かと話題の「単発バイトアプリ」。先日、東京証券取引所グロース市場に新規上場した「タイミー」が有名ですが、「とりあえず、試してみることにした」と山本さん。

 

それから、数ヵ月。実際にアプリを通して単発バイトをこなしてみての感想は?

 

――働ける時間や給料に、色々と制限があるので、これだけで生きていこうとするなら大変

――足りない生活費を補う、という目的ならいいね

 

たとえばタイミーであれば「1週間に働けるのは39時間」という上限のほか、「同じ会社からもらえる給料は月7.8万円、年間28万円」というルールがあります。理論上、時給1,000円と仮定すると、最大稼ぐことができて15.6万円。また働きたいタイミングで仕事があるとも限らず、ひとつのアプリだけで安定した生活を送るのは難しそう。単発バイトアプリだけで生計を立てるとなると、複数のアプリを使いこなすことが必須となりそうです。

 

「月にいくら稼ぐことができるか試してみた」と山本さん。その額、月14万円。そのことを友人に話したら「単発バイトでそんなに稼げるんだ!」と驚かれたといいます。

 

――自分都合で働けて、稼ごうと思えば14万~15万円も稼げるなら十分

 

それ以上に自分で働きたいところが選べるから「人間関係の悩みがゼロ。現役時代には考えられないほど、快適な環境で仕事ができている」といいます。

 

新たな働き方で生き生きとしている山本さん。70歳までに現在の預貯金と合わせて、1,000万円にするのが目標だといいます。

 

[参照]

厚生労働省『令和5年 国民生活基礎調査』

総務省『家計調査 家計収支編 2023年平均』

厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』