故人と相続人、双方の思いを繋ぐ生命保険。しかし、加入してそれきり、という人も少なくないのが実情です。いざというときに後悔することのないように、内容を正しく把握し、面倒に感じても時折メンテナンスを行うことは、非常に重要です。本記事ではAさんの事例とともに、相続財産の注意点について、株式会社アイポス代表の森拓哉CFPが解説します。
可愛がってくれた85歳孤独な伯母の死後、保険金1,000万円をもらうはずが…引き出しに捻じ込まれた「古びた保険証券」が知らせる、あまりに残酷な事実【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

掛け金を支払い続けているのに、なぜかほったらかしになる生命保険

お持ちの資産内容は正確に把握する必要があります。ご主人が出て行った時点で死亡保険金受取人をご主人にしておくことの意義は失われています。亡くなってからはなおさらのことです。Bさんの立場からしても、Aさんの財産状況は詳しく把握するべきでした。お互い支え合って暮らしているということであれば、それに合わせた生命保険のメンテナンスが必要なのです。

 

生命保険は老後の生活の貴重な財源になりえるのですが、その存在感が時として軽視されがちです。なにかに加入してはいるけれど、勧められるがまま入っており、その価値や機能がよくわからずに放置されている状況です。保障としての意義が失われているのであれば、解約も検討すべきでしょう。

 

高い普及率を誇る生命保険ですが、その内容が正確に把握されて、適切にメンテナンスされているかというと疑問符が付きます。お金をかけて加入している生命保険ですから、できるだけ正確に現状を確認し、定期的にメンテナンスをしていくことが大切といえるでしょう。

 

 

森 拓哉

株式会社アイポス 繋ぐ相続サロン

代表取締役