「遺族年金」の認知度は8割弱だが…
内閣府が行った『生活設計と年金に関する世論調査』によると、「死亡したときに遺族が受け取る公的年金である「遺族年金」の仕組みがあることを知っていますか。」の問いに対して、「知っている」は77.3%と、8割弱の認知率。さらに男女別でみていくと、「男性」71.7%に対し、「女性」82.2%と、10ポイント以上の差がありました。
現状、男性に比べて女性のほうが収入が低く、また夫婦で考えれば、平均寿命や歳の差から、女性のほうが残される可能性が高く、当然、「夫が亡くなったら……」の備えに関しては関心が高くなるでしょう。
ただ「細かなところまではよく知らない……」という人が多く、気になるのは、万が一のときにもらえるのかどうか、ということでしょう。
【遺族年金の内容について「知りたい」と思うこと】
遺族の属性・保険料納付実績などの遺族年金を受給するために必要な要件
…63.6%
遺族年金の額や計算方法、シミュレーションの仕方
…39.7%
遺族年金を請求する方法
…39.6%
遺族年金の支給年数は遺族の年齢に応じてどのように変わるのか
…34.8%
配偶者やこどもなどの遺族の属性や遺族の人数に応じて遺族年金の額に違いがあること
…30.3%
遺族年金における税金や社会保険料の取り扱い
…30.0%
遺族年金には、国民年金に由来する「遺族基礎年金」と、厚生年金に由来する「遺族厚生年金」があります。
大きな違いとして、遺族基礎年金には子の要件があるということ。子というのは、18歳になった年度の3月31日までにある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子のことを指します。そのため、そもそも子どもがいない夫婦は遺族基礎年金の対象外であり、子育てが終わった夫婦も同様です。
それに対し、遺族厚生年金には子の要件はなく、元会社員の夫を亡くした場合、残された妻に子どもがいてもいなくても、受け取ることができるでしょう。
もちろん細かな要件があるので、万が一の際に対象となるのか、ならないのか、年金事務所などで確認しておくと安心です。