世間の流れに乗って新NISAで積み立てを始めたものの、歴史的な株価下落に直面し、溢れる情報の信憑性に不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。投資が一般的になっていくなかで、「子どもたちには早期から金融リテラシーを身につけて、情報に惑わされることなく未来を歩んでほしい」と考えている親御さんも少なくないでしょう。そこで、小学生~中学生のお子さんを持つ方に向けて、身の回りの生活の中で自然に「お金の基本」や「柔軟な投資マインド」を伝えていく方法を現役ママFPがお伝えします。
投資ブームで重要度が増す「金融リテラシー」…親から子に“生活の中”で伝えたい「お金の基本」と「投資マインド」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

投資はお金を増やすだけのマネーゲームではない

政府が推し進める新NISAの効果もあり、以前よりずっと投資が身近になってきています。高校の授業でも扱われるようになり、自分事になるのは良いことではあるのですが、誰もが思いつきでスタートする簡単なゲームとは違うということはしっかりと伝えておきたいものです。

 

ゲーム(投機的なギャンブル)は運に依存したものですが、投資は知識や経験、正しい情報を取り入れるスキルがあれば、ある程度成果をコントロールできる可能性があります。前回の寄稿の中でふれた、おこづかい管理の方法にもあったのですが、我が家では『おこづかいは予算で仕分け管理』を練習しています。

 

将来も先取り貯金と先取り投資をし、残りで消費なのか浪費なのか投資なのか考え生活するという習慣をスキルとして身につけてほしいからです。そして、お金がお金を生む実感をするために、我が家ではおこづかいの中の貯蓄部分の月末残高に対して数%の利息をつけることにしています。その利息も含め、おいておけば、その利息が原資となりまた利息を生むという複利効果も体験できます。

 

また、小学生のうちから『にちぎんキッズ』など公的な機関のお金を学ぶツールを見せたり、モノポリーや人生ゲームなどのボードゲームを通して遊びの中で投資の世界を疑似体験もしています。

 

実際に体験するのも勉強

ここまで、家庭の中で育てる投資マインドをお伝えしてきましたが、中学生になれば、株シミュレーションアプリを使ってみたり、実際にお金ではないポイント投資で株価の動きを疑似体験してみたり、実際の投資に向けてできることが増えていきます。

 

とは言え、やはり実体験に勝るものはなしです。お年玉やおこづかいを活用して、少額からでもコツコツと自分のお金が育つ経験をしてください。少額でも自分のお金が動いていると思えば、経済ニュースや世間の声に関心をもつ習慣になります。たとえ失敗しても、親が目の届く範囲内で損失も子どもサイズです。

 

大人になって大きな取り返しがつかないほどの損失を出す前に、小さな失敗経験を積めば、それは将来の大きな成果の種となります。子どもにしかない武器『時間』を今から最大限生かすことで、お金にも自分にも複利効果をもたらし、人生豊かにワクワク歩むことができるのではないでしょうか。

 

 

北村 由紀

ファイナンシャルプランナー